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目覚め

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ギイっと床を踏む音が聞こえた。

目を開けようとしたけれど開かない。
そもそも、どうやって目を開けていたのか思い出せない。

深いため息が聞こえた。
何故だかそれに、ほっとする。

身体を持ち上げられ、ゆらゆらと運ばれていく感触。柔らかなものの上にそっと下ろされた。そして上から何かをかけられる。

「全く。大丈夫だって言ったのに…」

小さなぼやき声。
また大きなため息が聞こえて、その気配は遠ざかっていった。


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