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おまけ 夫 side

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屋敷の中を、彼女を案内して回る。
けれど少し面白くなかった。
僕は一目で彼女を好きになったのに、彼女にはそんな素ぶりはカケラも見当たらない。確かに初対面の印象は悪かったろうけど、それにしたって…

好きになったのは僕だけか

その所為で、午後はずっとイライラし通しだった。

夜になり、寝室に向かった。
当主になって以降、ずっと使っている寝室。
だからだろうか。僕はその時、いつも通り一人で眠るつもりで寝室のドアを開けた。

そこで僕は見た。
ほっそりとした肢体に薄布をまとってベッドに座る彼女を。
息が止まるほど美しかった。

「…君か」

なんとかそれだけを言って彼女に近づいた。彼女は動かずにじっと僕を見ている。

「綺麗だ」

呆然とする。
本当に綺麗だ。

「あ…あ…ありがとうございます…」

彼女は顔を赤くして俯いた。
予想外の可愛らしい反応。
もっとよく見たくて近づく。
ギシリとベッドが鳴った。
そっと肩に触れると、妻はビクリと震えた。
思わず笑ってしまった。
まるで警戒している子猫のようで。
可愛いな…
じっと見つめる。
彼女は何か言いたげに口を開いたけど、結局何も言わずに閉じた。

「綺麗だ」

昼間の謝罪の意味も込めて、もう一度告げた。
ゆっくり顔を近づけると、彼女は静かに瞳を閉じた。

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