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第23話 記念日が普通じゃない
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6月。
気温も徐々に上がり過ごし辛い環境へと移行していく。
暑いのが苦手な俺は正直夏が嫌いだ。
なので他より多少早めに衣替えをする。といっても、普段から家にいる俺は最初から薄着なわけだが...。
だが、今嫁の中にあるのは結婚記念日の事だけだ。
ジューンブライド。
嫁がその言葉の響きに魅了された結果、俺達は6月に結婚した。
そんな結婚記念日、俺達は毎年家の前で家族写真を撮っている、これには俺も賛成だ。子供の成長は早い。1年もあればかなり成長する、嫁は成長しないが...。
わざわざ玄関先に真衣と由衣が座る用に椅子を用意する。
俺は腕に快を抱き嫁の横に立つ。
時間差で撮影する設定をし、何枚か写真を撮る。
いつも通りの写真撮影、違いと言えば守り神さんと嫁が飼いならした熊が映り込んでいる事くらいだろうか。
熊に関しては怪我をしている所を嫁が保護しそれからは従順だ。
この家族写真を見る限り、うちの家族は普通じゃない、でも勘違いしないでほしい、普通じゃないのは嫁だけなのだ。
俺を含めた子供たちは至って普通だ。そこだけは間違えないでほしい。
写真を現像し額縁に納め飾る。
ずらっと並ぶ10枚の写真、二人だけだった写真には子供が追加されていき随分と大所帯になった。
都会からど田舎への引っ越しには抵抗があった、コンビニも近くにないし、スーパーなんてもっての外だ。
買い物に行くにも数時間も掛けなければならない。
電波も微弱で場所によってはメッセージアプリでのやり取りも行えない。
だが、そんな不便なところに引っ越して来たが、良い事の方が多い。
嫁は日々を伸び伸びと生活し娘達も普通の友達を作れている。
世界で俺達を知らない者はいない...時代を築き上げたゲーム、その生みの親の知名度は広い。
娘達は学校に行っても、あの大手企業の子供という事でチヤホヤされ、教師から特別待遇を受ける。
俺はそんな不自由な都会での暮らしに飽き飽きしていた、常に監視されている様な閉塞感...そんな思いを子供達にさせる訳にはいかない...俺の選択は間違っていたのだろうか...否。
俺の選択は合っているはずだ。
この田舎に嫁の正体を知る者はいない、ただの教師であり、3児の母、都会から引っ越して来た変わり者くらいのイメージだろう。
娘もそうだ、ここでは親の七光りなんて言葉を突き付けられることは無い。俺達の正体を知る者は居ないのだから。
写真を眺めながら思いを馳せていると一本の着信。
「はい、もしもし、佐藤です」
「副社長、早急に確認したい事が...少々、社長と共に本社へと赴くことは可能でしょうか」
「わかった、明日向かう」
はぁ...幸福は長く続かない。出張だ...。
仕事に行く以上子供達は連れていけない...。
さてどうしたものか...
気温も徐々に上がり過ごし辛い環境へと移行していく。
暑いのが苦手な俺は正直夏が嫌いだ。
なので他より多少早めに衣替えをする。といっても、普段から家にいる俺は最初から薄着なわけだが...。
だが、今嫁の中にあるのは結婚記念日の事だけだ。
ジューンブライド。
嫁がその言葉の響きに魅了された結果、俺達は6月に結婚した。
そんな結婚記念日、俺達は毎年家の前で家族写真を撮っている、これには俺も賛成だ。子供の成長は早い。1年もあればかなり成長する、嫁は成長しないが...。
わざわざ玄関先に真衣と由衣が座る用に椅子を用意する。
俺は腕に快を抱き嫁の横に立つ。
時間差で撮影する設定をし、何枚か写真を撮る。
いつも通りの写真撮影、違いと言えば守り神さんと嫁が飼いならした熊が映り込んでいる事くらいだろうか。
熊に関しては怪我をしている所を嫁が保護しそれからは従順だ。
この家族写真を見る限り、うちの家族は普通じゃない、でも勘違いしないでほしい、普通じゃないのは嫁だけなのだ。
俺を含めた子供たちは至って普通だ。そこだけは間違えないでほしい。
写真を現像し額縁に納め飾る。
ずらっと並ぶ10枚の写真、二人だけだった写真には子供が追加されていき随分と大所帯になった。
都会からど田舎への引っ越しには抵抗があった、コンビニも近くにないし、スーパーなんてもっての外だ。
買い物に行くにも数時間も掛けなければならない。
電波も微弱で場所によってはメッセージアプリでのやり取りも行えない。
だが、そんな不便なところに引っ越して来たが、良い事の方が多い。
嫁は日々を伸び伸びと生活し娘達も普通の友達を作れている。
世界で俺達を知らない者はいない...時代を築き上げたゲーム、その生みの親の知名度は広い。
娘達は学校に行っても、あの大手企業の子供という事でチヤホヤされ、教師から特別待遇を受ける。
俺はそんな不自由な都会での暮らしに飽き飽きしていた、常に監視されている様な閉塞感...そんな思いを子供達にさせる訳にはいかない...俺の選択は間違っていたのだろうか...否。
俺の選択は合っているはずだ。
この田舎に嫁の正体を知る者はいない、ただの教師であり、3児の母、都会から引っ越して来た変わり者くらいのイメージだろう。
娘もそうだ、ここでは親の七光りなんて言葉を突き付けられることは無い。俺達の正体を知る者は居ないのだから。
写真を眺めながら思いを馳せていると一本の着信。
「はい、もしもし、佐藤です」
「副社長、早急に確認したい事が...少々、社長と共に本社へと赴くことは可能でしょうか」
「わかった、明日向かう」
はぁ...幸福は長く続かない。出張だ...。
仕事に行く以上子供達は連れていけない...。
さてどうしたものか...
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