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第15話 子供の日が普通じゃない その2
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円卓に招かれ、高価そうな椅子に座る。
木の椅子ならどれだけ心臓に良い事か...お金の上に座っている様で正直落ち着かない。
座り心地が悪い訳ではない、実際、身体をしっかりと受け止める様に支えつつ、何故か心が和らぐ気がするのだ、なんとなく。
疲労感も回復している様な気もするし、なんだか身体が軽い気さえする。
そんなこんなで待つ事数分。天使の様な女性が現れ告げる。
「これより、覇王様がお入りになられます」
それを聞くと他の人達は気を引き締め服装に乱れがないかを確認し円卓の上座を見つめる。
そして...
「出迎えご苦労」
現れたのは白銀の長髪を靡かせる赤目の美男子だった。
俺はその姿に心を奪われた。
この胸の高まりはなんだ....この胸のトキメキはなんだ...この胸の痛みは...。
不思議な気持ちだった、今まで感じた事の無いとても不思議な...。
「皆揃っているようだな。では、始めるとしよう」
それを合図とし全員が手を一度合わせ料理に手を付け始める。
神妙な面持ちで始められた食事会だったが、一人の女によって静寂は打ち砕かれる。
「だぁっはっはっは、中々出来るではないか!デフォルトが出来るとは流石に思わなかったぞ」
「我輩を馬鹿にするな!それくらい当然出来るのだ!」
赤髪のツインテールの女性が高笑いをし、空色の髪をした...鬼?はそれが気に食わないのか指を差す。
それぞれの後ろに立つメイドが宥めその場は収まる。
「さぁ皆、普段通り食うが良い、今日は無礼講、せっかく全員が集まるのだからな、好きに話すと良い」
その言葉に触発されみんながそれぞれ会話を始める。
真衣や由衣などの子供達は子供達で集まるようだ。
俺達の所に来たのは金髪の壮年だ、まさに物語の勇者と言った感じで優しそうな顔をしている...が...瞳が赤いので闇堕ちしたのかな?と思ってしまう。
「こんにちわ、綾香さん、先日は母がお世話になりました」
「あの時は助かったよ、またお願いするかもしれないけど」
「ははっ、ほどほどに」
イケメンと話す嫁に対し、嫉妬心は湧かない、それは何故か?俺はそのイケメンに顔面偏差値で勝てないからだ。
俺が眺めているとイケメンは俺が不思議がっているのがわかったのか綺麗にお辞儀をし自己紹介を始める。
「これは失礼しました。私《わたくし》、マナ・スカーレットの息子のゼロと申します、以後お見知り置きを」
「あぁこれはこれは、愛菜さんのお子さんでしたか...」
そんな話をしていると母親の愛菜さんも会話に参加してくる。
「あら?初対面だったかしら?どう立派でしょ?うちの子」
「は、はい。とっても紳士的で好感をもてます」
自慢気に語る愛菜さんに対し俺は業務的に返事を返した。
子供の自慢って...30近くの息子を自慢って...普通じゃない...よな?
木の椅子ならどれだけ心臓に良い事か...お金の上に座っている様で正直落ち着かない。
座り心地が悪い訳ではない、実際、身体をしっかりと受け止める様に支えつつ、何故か心が和らぐ気がするのだ、なんとなく。
疲労感も回復している様な気もするし、なんだか身体が軽い気さえする。
そんなこんなで待つ事数分。天使の様な女性が現れ告げる。
「これより、覇王様がお入りになられます」
それを聞くと他の人達は気を引き締め服装に乱れがないかを確認し円卓の上座を見つめる。
そして...
「出迎えご苦労」
現れたのは白銀の長髪を靡かせる赤目の美男子だった。
俺はその姿に心を奪われた。
この胸の高まりはなんだ....この胸のトキメキはなんだ...この胸の痛みは...。
不思議な気持ちだった、今まで感じた事の無いとても不思議な...。
「皆揃っているようだな。では、始めるとしよう」
それを合図とし全員が手を一度合わせ料理に手を付け始める。
神妙な面持ちで始められた食事会だったが、一人の女によって静寂は打ち砕かれる。
「だぁっはっはっは、中々出来るではないか!デフォルトが出来るとは流石に思わなかったぞ」
「我輩を馬鹿にするな!それくらい当然出来るのだ!」
赤髪のツインテールの女性が高笑いをし、空色の髪をした...鬼?はそれが気に食わないのか指を差す。
それぞれの後ろに立つメイドが宥めその場は収まる。
「さぁ皆、普段通り食うが良い、今日は無礼講、せっかく全員が集まるのだからな、好きに話すと良い」
その言葉に触発されみんながそれぞれ会話を始める。
真衣や由衣などの子供達は子供達で集まるようだ。
俺達の所に来たのは金髪の壮年だ、まさに物語の勇者と言った感じで優しそうな顔をしている...が...瞳が赤いので闇堕ちしたのかな?と思ってしまう。
「こんにちわ、綾香さん、先日は母がお世話になりました」
「あの時は助かったよ、またお願いするかもしれないけど」
「ははっ、ほどほどに」
イケメンと話す嫁に対し、嫉妬心は湧かない、それは何故か?俺はそのイケメンに顔面偏差値で勝てないからだ。
俺が眺めているとイケメンは俺が不思議がっているのがわかったのか綺麗にお辞儀をし自己紹介を始める。
「これは失礼しました。私《わたくし》、マナ・スカーレットの息子のゼロと申します、以後お見知り置きを」
「あぁこれはこれは、愛菜さんのお子さんでしたか...」
そんな話をしていると母親の愛菜さんも会話に参加してくる。
「あら?初対面だったかしら?どう立派でしょ?うちの子」
「は、はい。とっても紳士的で好感をもてます」
自慢気に語る愛菜さんに対し俺は業務的に返事を返した。
子供の自慢って...30近くの息子を自慢って...普通じゃない...よな?
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