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第5話 対処法が普通じゃない
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嫁の友達のお陰で引っ越しは直ぐに終わった。
残るは細かい備品だけ一息つくためにお茶を入れる嫁、居間には娘と息子、それから嫁の友達の愛菜さんだ。
カイはもじもじしているがその気持ちはわかる。
逆にマイとユイは興味深々だ。
真っ白な肌、唇から少し飛び出た犬歯?それってもう吸血鬼なんじゃ...。
「お待たせ、愛菜は紅茶でいいよね?」
「えぇ問題ないわ」
出されたお茶を飲み一息ついた俺は核心に触れる。
「愛菜さんってもしかして...吸血鬼ですか?」
「そうよ?それがどうかしたかしら?」
『・・・!?』
「ちょっと愛菜!それは言わないって...」
ガタッドタドタ...
薄暗い廊下の方から突如聞こえる物音に怯える娘と俺。
その様子を見兼ねた嫁が愛菜に対処をお願いする。
「あれなんとかできる?」
「ゴースト?旦那程得意ではないのだけど...まぁいいわ何とかしてあげる」
「うん、お願い」
そう言うと愛菜はスッと立ち上がりスタスタと暗がりに進む、少しすると考えながら戻って来た。
「この山の守り神だそうよ、たぶんあなた達の事を野盗の類と勘違いしたんじゃないかしら、それから...」
後をついていく、向かった先は家の裏側にある山道に続く所だ。
そこにはボロボロに廃れた祠の様なものがぽつりと置かれ以前は手入れがされていただろうが汚く、花を生けてあっただろう花瓶は苔むしている。
さらに祠の小さな屋根には所々穴が開いてしまっている...。
恐らく嫁のお婆さんが亡くなってから手入れはされていないんだろう。
「今回は特別、次からはあなた達で手入れしなさいよ」
そういい愛菜が指を鳴らすとボロボロだった祠は新品の様に綺麗になった。
「この子は悪い子じゃないから」
「わかったよ」
「あ!そうだ...稲荷の神...この子達と遊びたいなら今度は普通に姿を見せる事!いいわね」
その言葉に反応してか綺麗な鈴の音が響く。
その音は恐怖心を消し、幸福感を生み出した、優しく慈母に包まれるような感覚、これが守り神....
「そうだ綾香、ちょっと子供の耳を塞いでくれるかしら、ちょっと脅しておくから」
「え?あぁうん」
俺と嫁は言われるがまま、マイ・ユイ・カイの耳を塞いだ。
頼む!誰か!俺の耳も塞いでくれ。
「いい?稲荷の神、よく聞きなさい。もしこの家族を守護するのなら貴女の生存は認めてあげる...ただ、もしこの家族に危害を加えたら...必ずぶち殺すから」
その瞬間幸せな鈴の音は不規則に鳴り出し、多幸感は焦燥感に変わる。この愛菜って人に必死で頷いているのが伝わってくる。俺もさっきから寒気が凄い。これが俗にゆう殺気と言うやつだろうか...それにしても...
神様を脅すなんて対処法...どう考えたって普通じゃない!!
残るは細かい備品だけ一息つくためにお茶を入れる嫁、居間には娘と息子、それから嫁の友達の愛菜さんだ。
カイはもじもじしているがその気持ちはわかる。
逆にマイとユイは興味深々だ。
真っ白な肌、唇から少し飛び出た犬歯?それってもう吸血鬼なんじゃ...。
「お待たせ、愛菜は紅茶でいいよね?」
「えぇ問題ないわ」
出されたお茶を飲み一息ついた俺は核心に触れる。
「愛菜さんってもしかして...吸血鬼ですか?」
「そうよ?それがどうかしたかしら?」
『・・・!?』
「ちょっと愛菜!それは言わないって...」
ガタッドタドタ...
薄暗い廊下の方から突如聞こえる物音に怯える娘と俺。
その様子を見兼ねた嫁が愛菜に対処をお願いする。
「あれなんとかできる?」
「ゴースト?旦那程得意ではないのだけど...まぁいいわ何とかしてあげる」
「うん、お願い」
そう言うと愛菜はスッと立ち上がりスタスタと暗がりに進む、少しすると考えながら戻って来た。
「この山の守り神だそうよ、たぶんあなた達の事を野盗の類と勘違いしたんじゃないかしら、それから...」
後をついていく、向かった先は家の裏側にある山道に続く所だ。
そこにはボロボロに廃れた祠の様なものがぽつりと置かれ以前は手入れがされていただろうが汚く、花を生けてあっただろう花瓶は苔むしている。
さらに祠の小さな屋根には所々穴が開いてしまっている...。
恐らく嫁のお婆さんが亡くなってから手入れはされていないんだろう。
「今回は特別、次からはあなた達で手入れしなさいよ」
そういい愛菜が指を鳴らすとボロボロだった祠は新品の様に綺麗になった。
「この子は悪い子じゃないから」
「わかったよ」
「あ!そうだ...稲荷の神...この子達と遊びたいなら今度は普通に姿を見せる事!いいわね」
その言葉に反応してか綺麗な鈴の音が響く。
その音は恐怖心を消し、幸福感を生み出した、優しく慈母に包まれるような感覚、これが守り神....
「そうだ綾香、ちょっと子供の耳を塞いでくれるかしら、ちょっと脅しておくから」
「え?あぁうん」
俺と嫁は言われるがまま、マイ・ユイ・カイの耳を塞いだ。
頼む!誰か!俺の耳も塞いでくれ。
「いい?稲荷の神、よく聞きなさい。もしこの家族を守護するのなら貴女の生存は認めてあげる...ただ、もしこの家族に危害を加えたら...必ずぶち殺すから」
その瞬間幸せな鈴の音は不規則に鳴り出し、多幸感は焦燥感に変わる。この愛菜って人に必死で頷いているのが伝わってくる。俺もさっきから寒気が凄い。これが俗にゆう殺気と言うやつだろうか...それにしても...
神様を脅すなんて対処法...どう考えたって普通じゃない!!
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