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第7章 魔法学院
第55話 強さの頂
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王国の民や騎士達の声援に答え手を振りながら闘技場の舞台に上がった。
グレースの配下のチェイニ―さんから武術をいろいろ教わってるが....今まで闘技場で繰り広げられていた戦いに比べてたら、児戯に等しいだろう、私にはまだそれだけの差があると自覚している。
歓声が私の名を呼ぶがかなり照れくさい、あの戦いを前に私にどんなパフォーマンスしろと言うのだ....。
―――挑戦者は舞台に上がってください。
アナウンスに続き屈強な戦士や腕に覚えのある冒険者、さらには以前から戦いたいと言っていた聖騎士団の仲間達、さらには教師のユリウスまで。
闘技場の舞台の階段をのぼる、例え同時にすべてを相手にしろと言われても今ならば斬れるという自信があった。
――――少し前までは...。
突如闘技場の中心に隕石の様な何か衝突した、その衝撃で参加しようとしていた戦士たちは吹き飛びもれなくノックアウトだ...。
そんな技ともいえない離れ業をなせる存在を私は一人しかしらない。
「―――グレース...」
「さて...何日か修行したんだ、それなりの成果を上げて貰わないとな」
煙の中から現れたのは予想通りの男だった。
覇王:グレーステ・シュテルケ、こいつ以上に理不尽な存在を私は知らない。
それに、2日3日修行した程度で強くなれるなんてそもそもあり得ないのだ。
孤児院にいた少女達があんなに強くなったのも何か裏があるはずだ、とても気になる...だが今はそんな事はどうでもいいのだ。
「まさか...あなたと戦う事になるとはね...何が目的なの?」
普段の口調ではなく戦士長として凛々しく答える。
だが、それに対しグレースは肩を竦ませる。
「試験だ....お前が合格出来る道は1つ―――俺に攻撃を与えることだ」
「見くびられたものね...いいわ...その挑戦受けてあげる」
再びグレースは肩を竦ませると大口で笑った。
「面白いことを言う、剣姫よ...お前が挑戦するのだ俺と言う絶対的強さの象徴へな」
―――揃いましたーー!!!学院長VS剣姫エミールべオーラ様
そして試合開始のゴングが鳴らされる....あぁどうして鳴ってしまうのだろう...。
戦士長としての威厳を保つためにあんな事言ったけど―――無理に決まってるじゃない。
グレースもその気になって乗ってくれたけど逆に少し恥ずかしくなってきたし...。
でも...もしこれでいい成績を残せれば...ミーシャやマーシャ達があんなに強くなった理由を教えてもらえるかもしれない
―――できるだけの事はする!!
闘技場の舞台を見渡せば冒険者や戦士、聖騎士達が戦うために持ってきた武器が散乱しているうまく利用できれば...。
がっつりグレースに見られているが全力で走り落ちている武器を一度手に取り大地に突き刺すそれを高速で行う。
観客にはおそらく見えていないだろうが、グレースの目は誤魔化せないだろう。
全ての武器を刺し終えた所で走るのを止め正面からグレースを睨みつける
グレースは瞬き一つせずに私の瞳から目を逸らすことはしない
それは完全な不意打ちに思えた、死角から飛来する予備動作無しの槍投げ常人では気付くことすら難しい様な攻撃を見ることなく受け止める。
投げられた槍は掴まれさらに飛ばした武器達はグレースの槍術によって絡め取られていく。
そしてグレースは槍で頭上に円を描くかのように振り回す、すると武器達が意思を持ったかのように動き出し襲い掛かってくる。
それを後退しながら弾く、そしてグレースが槍の矛先を大地に突き刺すと武器達はその場で静止し大地に再び突き刺さる。
「児戯だな」
「流石に気付いていましたか...」
「魔力糸による武器の操術だろ?サイコキネシスの劣化だな、ちなみにサイコキネシスは俺の得意分野だ」
「つまりあなたの攻撃はサイコキネシスだったと...」
「その通りだ、あんな不自然な動きする訳ないだろう?」
やはりそうだったか...私の行動などあの男からしたら手に取るようにわかることだろう
だけど....。
「【審判の剣】!!」
聖なる斬撃を飛ばしその隙を見て全速力にて背後を取るように走る。
だが...まるで時が止まったかのような感覚を覚える、だが世界は色を失っていないしさらに自分は少しずつではあるが進んでいる。
ただそんな世界であっても悠然と歩く男が居た。
―――グレースだ。
普通の速度で歩く彼は机をその場に作りだし優雅にお茶を入れ味わいながらそれを飲んでいる。
私の体も動いてはいるが本当に少しずつだ、ほぼ止まっているようだ。
まるで思考回路だけが早くなっている様な。
―――戦いの中でこのように見える時はある、相手の剣が遅ければゆっくりと回避することが出来る。
まるで―――
「そうさ、これは俺の速度の世界、お前の思考だけを俺の速度を認識できるまで上げといたのさ」
言葉を発することは出来ないがこの男の事なのでこちらの思考でも読んでいるのだろう。
私は頭に話たいことを思い浮かべる。
―――いつもこんな世界にいるの?それって辛くないの?
「辛いに決まってるだろう?だから普段は意識していないんだ、それにお前も言っていた通り必要な時にだけ思考を加速させればいいのだ」
―――それじゃあ、あんたに攻撃当てるなんて...
「なんだ?諦めるのか?確かに俺はこの速度環境の中にいる限りお前の攻撃は今のお前の速度の様に感じられる」
―――それじゃあ....当てられないじゃん....
私は認められたかった。
グレースの回りには強い人が多いだから気に入るのだと、だったら私がその人達よりも強くなれば...グレースはきっと...。
一瞬だけ頭に浮かんだことをすぐさま頭から追い出す、だがそれはすべてグレースに伝わってしまったようだ。
「俺は既に認めてるんだがな」
ぽつりとグレースが呟くその言葉はうれしかった反面とても悲しかった、グレースが認めているのは別世界の私。
今の私に別世界の私の面影を感じ重ねているだけ、私は本当の意味では認められていない、強くならないと認められない...。
そしてまたすべてを見透かしグレースは答える
「この際だからはっきり言っておく俺はお前の言う別世界のお前に言われお前を見定めに来た、そして俺はまたお前を好きになった。
だが、強くないからと不安を感じるのなら―――上がってこい!俺はあの時と同じく頂で待ってる。
さぁ思考加速を通常に戻すぞ
それと―――前よりは強くなったな...」
徐々に声が遠くなっていく、その中で【頂で待っている】その言葉が何度も頭ん中でこだまするそしてその言葉だけがストンと心の中に落ちていく
―――頂で...!!
斬撃による不意打ちも案の定簡単に避けられてしまう。
だけど私は諦めない、グレースは既に私を認めているだけど私自身が認められていない、私自身を認めあなたからも本当の意味で認められるように私は強くなる。
私は頂きに近い存在を目指しあなたの隣で共に戦う!!それが私の目指すべき道!!
先ほどの様な斬撃を飛ばすのを止め剣戟にて攻撃をする、だがどの攻撃も当たらない、これが頂の強さ。
どれほど遠い存在なのかを肌で感じる
―――その時だった、巨大な魔力の塊が上空より飛来する
「グレース様~~~~~~!!」
その何かはグレースの名前を叫びながらグレースに抱き付きグレースの顔を上目使いで見上げ宣言する。
「私と結婚してほしい!!」
グレースの配下のチェイニ―さんから武術をいろいろ教わってるが....今まで闘技場で繰り広げられていた戦いに比べてたら、児戯に等しいだろう、私にはまだそれだけの差があると自覚している。
歓声が私の名を呼ぶがかなり照れくさい、あの戦いを前に私にどんなパフォーマンスしろと言うのだ....。
―――挑戦者は舞台に上がってください。
アナウンスに続き屈強な戦士や腕に覚えのある冒険者、さらには以前から戦いたいと言っていた聖騎士団の仲間達、さらには教師のユリウスまで。
闘技場の舞台の階段をのぼる、例え同時にすべてを相手にしろと言われても今ならば斬れるという自信があった。
――――少し前までは...。
突如闘技場の中心に隕石の様な何か衝突した、その衝撃で参加しようとしていた戦士たちは吹き飛びもれなくノックアウトだ...。
そんな技ともいえない離れ業をなせる存在を私は一人しかしらない。
「―――グレース...」
「さて...何日か修行したんだ、それなりの成果を上げて貰わないとな」
煙の中から現れたのは予想通りの男だった。
覇王:グレーステ・シュテルケ、こいつ以上に理不尽な存在を私は知らない。
それに、2日3日修行した程度で強くなれるなんてそもそもあり得ないのだ。
孤児院にいた少女達があんなに強くなったのも何か裏があるはずだ、とても気になる...だが今はそんな事はどうでもいいのだ。
「まさか...あなたと戦う事になるとはね...何が目的なの?」
普段の口調ではなく戦士長として凛々しく答える。
だが、それに対しグレースは肩を竦ませる。
「試験だ....お前が合格出来る道は1つ―――俺に攻撃を与えることだ」
「見くびられたものね...いいわ...その挑戦受けてあげる」
再びグレースは肩を竦ませると大口で笑った。
「面白いことを言う、剣姫よ...お前が挑戦するのだ俺と言う絶対的強さの象徴へな」
―――揃いましたーー!!!学院長VS剣姫エミールべオーラ様
そして試合開始のゴングが鳴らされる....あぁどうして鳴ってしまうのだろう...。
戦士長としての威厳を保つためにあんな事言ったけど―――無理に決まってるじゃない。
グレースもその気になって乗ってくれたけど逆に少し恥ずかしくなってきたし...。
でも...もしこれでいい成績を残せれば...ミーシャやマーシャ達があんなに強くなった理由を教えてもらえるかもしれない
―――できるだけの事はする!!
闘技場の舞台を見渡せば冒険者や戦士、聖騎士達が戦うために持ってきた武器が散乱しているうまく利用できれば...。
がっつりグレースに見られているが全力で走り落ちている武器を一度手に取り大地に突き刺すそれを高速で行う。
観客にはおそらく見えていないだろうが、グレースの目は誤魔化せないだろう。
全ての武器を刺し終えた所で走るのを止め正面からグレースを睨みつける
グレースは瞬き一つせずに私の瞳から目を逸らすことはしない
それは完全な不意打ちに思えた、死角から飛来する予備動作無しの槍投げ常人では気付くことすら難しい様な攻撃を見ることなく受け止める。
投げられた槍は掴まれさらに飛ばした武器達はグレースの槍術によって絡め取られていく。
そしてグレースは槍で頭上に円を描くかのように振り回す、すると武器達が意思を持ったかのように動き出し襲い掛かってくる。
それを後退しながら弾く、そしてグレースが槍の矛先を大地に突き刺すと武器達はその場で静止し大地に再び突き刺さる。
「児戯だな」
「流石に気付いていましたか...」
「魔力糸による武器の操術だろ?サイコキネシスの劣化だな、ちなみにサイコキネシスは俺の得意分野だ」
「つまりあなたの攻撃はサイコキネシスだったと...」
「その通りだ、あんな不自然な動きする訳ないだろう?」
やはりそうだったか...私の行動などあの男からしたら手に取るようにわかることだろう
だけど....。
「【審判の剣】!!」
聖なる斬撃を飛ばしその隙を見て全速力にて背後を取るように走る。
だが...まるで時が止まったかのような感覚を覚える、だが世界は色を失っていないしさらに自分は少しずつではあるが進んでいる。
ただそんな世界であっても悠然と歩く男が居た。
―――グレースだ。
普通の速度で歩く彼は机をその場に作りだし優雅にお茶を入れ味わいながらそれを飲んでいる。
私の体も動いてはいるが本当に少しずつだ、ほぼ止まっているようだ。
まるで思考回路だけが早くなっている様な。
―――戦いの中でこのように見える時はある、相手の剣が遅ければゆっくりと回避することが出来る。
まるで―――
「そうさ、これは俺の速度の世界、お前の思考だけを俺の速度を認識できるまで上げといたのさ」
言葉を発することは出来ないがこの男の事なのでこちらの思考でも読んでいるのだろう。
私は頭に話たいことを思い浮かべる。
―――いつもこんな世界にいるの?それって辛くないの?
「辛いに決まってるだろう?だから普段は意識していないんだ、それにお前も言っていた通り必要な時にだけ思考を加速させればいいのだ」
―――それじゃあ、あんたに攻撃当てるなんて...
「なんだ?諦めるのか?確かに俺はこの速度環境の中にいる限りお前の攻撃は今のお前の速度の様に感じられる」
―――それじゃあ....当てられないじゃん....
私は認められたかった。
グレースの回りには強い人が多いだから気に入るのだと、だったら私がその人達よりも強くなれば...グレースはきっと...。
一瞬だけ頭に浮かんだことをすぐさま頭から追い出す、だがそれはすべてグレースに伝わってしまったようだ。
「俺は既に認めてるんだがな」
ぽつりとグレースが呟くその言葉はうれしかった反面とても悲しかった、グレースが認めているのは別世界の私。
今の私に別世界の私の面影を感じ重ねているだけ、私は本当の意味では認められていない、強くならないと認められない...。
そしてまたすべてを見透かしグレースは答える
「この際だからはっきり言っておく俺はお前の言う別世界のお前に言われお前を見定めに来た、そして俺はまたお前を好きになった。
だが、強くないからと不安を感じるのなら―――上がってこい!俺はあの時と同じく頂で待ってる。
さぁ思考加速を通常に戻すぞ
それと―――前よりは強くなったな...」
徐々に声が遠くなっていく、その中で【頂で待っている】その言葉が何度も頭ん中でこだまするそしてその言葉だけがストンと心の中に落ちていく
―――頂で...!!
斬撃による不意打ちも案の定簡単に避けられてしまう。
だけど私は諦めない、グレースは既に私を認めているだけど私自身が認められていない、私自身を認めあなたからも本当の意味で認められるように私は強くなる。
私は頂きに近い存在を目指しあなたの隣で共に戦う!!それが私の目指すべき道!!
先ほどの様な斬撃を飛ばすのを止め剣戟にて攻撃をする、だがどの攻撃も当たらない、これが頂の強さ。
どれほど遠い存在なのかを肌で感じる
―――その時だった、巨大な魔力の塊が上空より飛来する
「グレース様~~~~~~!!」
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