6 / 6
エピローグ
しおりを挟む
教室のような部屋で1名の男と3名の女が顔を突き合わせている。
「屏風オブジェクトから中の絵が実体化して、プレイヤーとNPCを襲う怪異が報告されているけど、どうするの? 〈殿〉」
「恐らく一休宗純絡みの戦霊の仕業だろう。例によってクエストを作りたがっているんだ。早めに解決したいけど、その方向で考えていいか?」
足利義持以外の3人がそれに賛成する。
「太上、戦霊が発している士気の中心は分かるか?」
太上法皇は京都国マップの南の方が不穏と答えた。
「マップの南、一休……。まず酬恩庵のあたりを洗おう」
義持は太上法皇に頼まれ、京都国の殿になった。HoAでは各エリアごとに指定された3名のプレイヤーが運営を助けることになっている。彼らは様々な仕事をする代わりに、毎週その国にいるプレイヤー・NPCから一定量のカード税を受け取り、それを自分のコレクションに加える権限を持つ。
地位は決して安泰ではなく、来月以降は対戦レート上位プレイヤーに地位を譲ることになる。
「あっ、宰相からだ」
チャットログに飛騨の国司宰相から連絡が入っている。デュエロで孕んだ赤ちゃんが無事産まれたとのことだ。VRMMOなので妊娠期間は短いものらしい。
姉小路軍の拠点である古川城には既に主君が帰還して諸事を差配している。武役がなくなり家庭向きの仕事だけになったので、宰相は子供を育てながらでも家宰の役割を果たすことができるだろう。
「太上、行ってきます」
「行ってらっしゃいませ、殿!」
小さい学校のような建物を出る一行を、太上法皇が笑顔でお辞儀をして見送る。一行は遠くへと姿を消した。
「屏風オブジェクトから中の絵が実体化して、プレイヤーとNPCを襲う怪異が報告されているけど、どうするの? 〈殿〉」
「恐らく一休宗純絡みの戦霊の仕業だろう。例によってクエストを作りたがっているんだ。早めに解決したいけど、その方向で考えていいか?」
足利義持以外の3人がそれに賛成する。
「太上、戦霊が発している士気の中心は分かるか?」
太上法皇は京都国マップの南の方が不穏と答えた。
「マップの南、一休……。まず酬恩庵のあたりを洗おう」
義持は太上法皇に頼まれ、京都国の殿になった。HoAでは各エリアごとに指定された3名のプレイヤーが運営を助けることになっている。彼らは様々な仕事をする代わりに、毎週その国にいるプレイヤー・NPCから一定量のカード税を受け取り、それを自分のコレクションに加える権限を持つ。
地位は決して安泰ではなく、来月以降は対戦レート上位プレイヤーに地位を譲ることになる。
「あっ、宰相からだ」
チャットログに飛騨の国司宰相から連絡が入っている。デュエロで孕んだ赤ちゃんが無事産まれたとのことだ。VRMMOなので妊娠期間は短いものらしい。
姉小路軍の拠点である古川城には既に主君が帰還して諸事を差配している。武役がなくなり家庭向きの仕事だけになったので、宰相は子供を育てながらでも家宰の役割を果たすことができるだろう。
「太上、行ってきます」
「行ってらっしゃいませ、殿!」
小さい学校のような建物を出る一行を、太上法皇が笑顔でお辞儀をして見送る。一行は遠くへと姿を消した。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
12
この作品の感想を投稿する
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる