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 その後セシリオ様とそのご友人方の処罰内容が決まった。なんと殿下が掛け合ってくれたおかげで皆二週間の自宅謹慎で済んだみたいだ。本当に良かったっ!


 そして今日は学園の卒業パーティーである。僕と殿下の婚約も発表するのだ。今は殿下からいただいたタキシードに着替え殿下の迎えを待っている。なんだかフリルが多くてギラギラしているけど大丈夫かな服に着せられてないよね、殿下の隣で歩いても大丈夫だよね!?

「セドリック様、リヴァン殿下がいらっしゃいました。」

 僕が頭を悩ませていると殿下がいらしていた。……殿下の美しい姿はいつも見ているからと油断していたけど今日の殿下は髪型もきっちりとセットされていて、一段と輝いて目が離せないくらいかっこいい。

「セディ、今日のセディは夜の妖精の様に煌びやかで可憐だ。」
「っリヴ!あ、ありがとう。リヴもとても素敵だよ。その、白のお召し物が似合っているよ!」

 殿下に褒められて少ししどろもどろになってしまった。

「さぁ行こう、今夜は待ちに待った卒業パーティーだ。この二週間会えなかったセシリオにもやっと会えるよセディ。」

「そうだね、凄く楽しみにしていたんだセシリオ様に会える事。」

「…少し妬けるね、いくら私から口にした事だと言っても他の男に会うのを楽しみにしているなんて。」

「へっ!?いえ、そんなつもりはなくて!」
「ふふっ、分かっているよ冗談だ。ほら早くいかないと遅れてしまう。」

 リヴ、緊張している僕に気付いていたのかな?おかげで少し緊張がほぐれた気がする。ありがとうリヴ。出口へ向かうリヴに今思っている事を伝えたくなって弾む声で呼んでみる。

「リヴ!僕が一番楽しみにしていたのは婚約発表だよ。みんなにリヴは僕の婚約者だって自慢できるんだっ。……リヴ、僕を選んでくれてありがとう。」

 その身を翻し嬉々とした表情で僕のことを見てくれるリヴに僕もなんだか嬉しくなる。

「セディ、それを言うのは私の方だな。セディが私を想ってくれて、私の想いに応えてくれたから今日があるんだ。ありがとうセディ。」


 二人で笑い合ってどちらからともなくキスをした。なんだか幸せな日になりそうだ。

                     fin.

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