魔獣っ娘と王様

yahimoti

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第48話●おしかけ人質

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なんで空族と冒険者が魔獣達と一緒になってバーベキューしているんだ?

しかもケルビム達がライブをしているし。

街の人達も出て来てお祭り騒ぎになっている。

「パーパー。」
エイベルがかけよって来る。

みんな無事みたいだ。

でもパパはやめてね。

「しばらくはパパスキルの効果は続きそうね。」

アンドロイドが冷静に言う。

呼び方が違うだけで何か変わったことがあるわけでもないみたいだ。

なんなのだ?このスキルは。

かなり街が壊されてしまったので王都生成スキルを使おうとするとペルペレキナに止められる。

「街に人が増えたんだからそういう事は職人にさせなさい。仕事を奪ってはダメよ。」

うーん。そういうものか。
スキルでポンってやっちゃダメなのか。

俺ってなんか役に立っているんかな。

「王様なんて役に立たなくていいのよ。居てくれればそれで良いの。」

なんか見慣れない娘がターフメと一緒にお肉を食べているが街の子か?

「うまいのう、こんなお肉を食べるのは初めてじゃ。」

「ターフメ、この子どこの子?親はどうした。」

ターフメはぽかんとしているだけで要領を得ない。

「朕か?朕は皇帝である。敗戦国として朕はネーヴェサム魔獣国に人質になりに来た。」

「は?そんな事決めたっけ。」

「こんなちっちゃい子を人質って人でなしね。」

アンドロイドが言う。

いやいや俺はそんな事してないぞ。

「そうじゃ、朕が決めたのじゃ。朕は皇帝じゃから自分で決められるのじゃ!」

「ビッカース皇国はどうするんだ?」

「義兄に任せた。義兄のせいじゃからのう。いい薬じゃ。」

皇帝はニコニコしてお肉を食べている。

「ところで皇帝に名前はないのか?」

「ビッカース皇国に皇帝は一人しかおらんからのう。朕に名前なんぞないぞ。」

「国名で呼ぶのもなんかややこしいしなー。」

そこに赤龍のピボがやって来た。

「チンー。これも美味しいよ。」

と言って皇帝にプリンを渡す。

「なんじゃー。これは。柔らかいのー。甘いのー。ここは極楽じゃのー。」

いつのまにかチンって言う名前になっていたようだ。
自分でもそう呼んでいるし他にそう名乗る者もないし、それでいいか。










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