45 / 50
第45話●決戦2
しおりを挟む「あんたのスキルはどうなってんのよ。」
なんかアンドロイドめっちゃキレている。
「普通ならテイムされている魔獣を他のテイマーがテイム出来ないはずでしょ。あんたの場合あの子達が勝手になついているだけ。だからつけ込まれたのよ。」
ヒナ達は自分の意思でテイムに抵抗して苦しんでいる。
空族や冒険者達が必死になってビッカース皇国軍の攻撃を防いでいる。
完全に包囲されているのでこのままでは時間の問題だ。
皇国のテイマーが内ポケットから魔道具を出す。
「魔獣達の抵抗も時間の問題だぜ、こいつは強力なテイムの増幅器なんだ。相当効いているはずさ。」
アンドロイド達はアレインへの攻撃を防いでいる。
「あんた魔獣の王様なんだからあの子達を従わせるスキルぐらいあるんじゃないの?」
あるさ。
確かにあるけど、これ使ったらこいつらと俺の関係っていままでと同じって訳じゃなくなるんじゃないの。
「なに迷ってんのよ。あの子達が苦しんでいるのが分からないの?」
「あの子達がどんなに苦しくてもあんたから離れたくないって、あんたに敵対する自分になりたくないって気持ちが。」
うーむ。
でもなー。
このスキルなー。
従属 支配 パパってなんだ?
「はーやーくー。」
「じゃ、パパで。」
そう言った途端にアレインを中心にして真っ白な光が広がる。
胸の奥に何か熱いものを感じる。
たくさんの魔獣達の言葉にならない想いが伝わってくる。
苦しみもがいていたヒナ達がムクっと起き上がる。
ターフメが人化すると足枷がスルリと外れた。
どこに嵌めてたんだ?
大きさが全然合ってない。
ヒナとアイゼイヤとザウアーラが一斉に声を揃えて威圧する。
「パパーっ。」
テイマーが吹き飛んで城壁に張り付いた。
増幅器がバラバラになる。
包囲していた兵士が気絶する。
皇国の魔導飛機がバタバタ落ちる。
空族の飛機が飛んでいられるのは威圧に指向性を持たせたのか?
凄いなこの娘達。
形勢逆転だ。
冒険者がフルアーマーの騎士を捕らえている。
皇宮から皇帝が侍女に手を引かれて出て来る。
皇帝はまだ幼い。
少し震えている。
だが気丈な態度をとろうとしている。
騎士が暴れだす。
「やめろー。帝に手を出すなー。帝はなにも知らないんだー。」
「黙れ、イェンゼン卿。朕は皇帝である。この国の事で朕が知らぬと言うのは異国の王には通ぜぬ言い訳である。」
幼い帝が言う。
「敗北した皇国はこの異国の王に償えわなければならない。」
帝の背後で皇宮が崩れ落ちる。
甲高い獣の様な女性の悲鳴の様な声が聞こえてくる。
稲妻が地を這ってくる。
黒いローブを着た男が現れた。
「まだ終わってはおらんぞ。」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
4
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる