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第41話●空族3
しおりを挟む「お姉ちゃんやっとオムツしなくて良くなるね。」
「俺に向かってその話しをすんな。リットに言え。」
クラリス姉ちゃんはずーっと不機嫌。
オムツしてるといつものぴちぴちの皮パンツが履けないからかな?
リット兄ちゃんはまた怒っている。
元々調子に乗った自分が悪いのに。
「とうとう俺達はあの魔獣の王のいいように使われることになっちまった。空族の誇りはどうなるんだ。くっそー。」
「まあ誇りって言っても空族ってただ魔導飛機が好きな便利屋じゃねえか?」
やっぱり女子は現実的だね。
クラリス姉ちゃん偉い。
「髭のおっちゃんは怖かったけど魔獣の王様くれるもんは過剰な程くれたって言って喜んでたよ。」
「俺達も儲けはしたけど飛機の修理にだいぶ吐き出したからな、そろそろひと仕事しねえとな。」
「姉ちゃん偉い。」
「ゼデーおまえかわいいなー。」
「クラリス姉ちゃんやめてー。そんな暴力的なもの押しつけられたら窒息しちゃうー。」
「たまにはいいじゃねえかー。いい子いい子。かーしこいなー。」
クラリスはゼデを抱きしめて頭をぐりぐり撫でる。
可愛がっているのかいじめいるのか微妙に見える。
「はーなしてー。死んじゃう。それにワンコじゃないんだからー。」
リットがため息をついて
「お前達って本当に仲良しだよな。」
「リット兄ちゃん、たーすけーて。死んじゃうー。」
帝国の旅客ブースから竜人族の里まで旅行客を運ぶ仕事をゼデが見つけてきた。
ゼデは鑑定のスキルをもっているし性格が温厚なのでリットのクランでは重要な営業マンだ。
竜人族と言えば勇者由来の独特なピクルスを作ることで有名だ。
米と言う穀類と良く合うらしいがリットは食べた事がない。
大荒野を過ぎて大森林の上空に差し掛かるたくさんのワイバーンが飛んでいる。
普通ならワイバーンごときに竜種がちょっかいを出されるなんてことはありえないのだが?
妙に弱々しく飛んでいるやや小ぶりの龍をワイバーンがよってたかっていじめている様に見える。
そして、少しちびる。
この飛機にはお客さんが乗っているので護衛でついている仲間の飛機に連絡する。
空中で仲間の飛機と接舷する。
「ありゃいじめているんじゃない足につけられている重たい鉄球付きの鎖を切ろうとしているんだ。」
「あの龍を捕らえて足枷を付けたバカがいるって事か?」
魔獣の王様が激怒している顔が目に浮かんでまた少しちびった。
放っておく事も出来ないので網に包んで魔獣の王様のところに行かせた。
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