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第29話●ぺレペルキナ
しおりを挟む「やっとバカ王子と別れられたと思ったら、こんどはこんな辺境の子供みたいな王様?いったい私が何をしたって言うのよー。」
ターフメとヒナが案内したのは王様の部屋。
この部屋には充電中の6体のアンドロイドとヒナが一緒に住んでいる。
「充電中なんだから静かにしてくれるかな。」
変な機械に怒られた。
私はちょっと前まではヴァイグル王国の寄宿学校にいた。
小さな頃から王子の婚約者として王妃になるための勉強をしていたのだ。
王子は幼馴染みで小さな頃からずっと一緒にいた。
誰よりも王子のことを分かっていた。
ただのバカだってね。
お人よしだけが取り柄。
まあ、それでもいいと思っていたんだけど大きくなると僻みっぽくなってしまった。
勉強も剣術も魔法も全然私に及ばない。
なんでも自分より出来る私が鬱陶しくなって私を疎んじる様になった。
その内ベシェペメって平民の子を可愛がる様になった。
そして事ある毎に彼女を引き合いにして私を貶める様な事を言う様になった。
私が貴族だと言う事を鼻にかけてべシェペメをいじめたとか、仲間外れにしたとか。
私は彼女が王子のそばにいるのなら最低限の作法ぐらいは分かっていた方がいいと思って教えようとしただけなのに。
そしてあのパーティの日。
バカ王子は王国の貴族達の前で私の事を悪者の様に罵って婚約を破棄してベシェペメとの婚約を発表したわ。
バカ王子がバカなのも私のせいって言うぐらい国中から悪者にされて学校にも居られなくなった。
親でさえも私を庇う事は出来なくてバカ王子がバカだって分かっている王様だけが私の味方だった。
私を何かしら罰し無ければ収まりがつかなくなってしまった。
平民のべシェぺメを担ぎ上げてバカ王子に取り入りたい新興勢力が父である総務大臣ジュネジオ公爵の足を引っ張る材料にしてきたのだ。
選択肢はたくさんあったはず、でも手が届きそうなのは2つ。
勇者の所へ行って血の契りを手に入れて名誉挽回するか、ヴァイグル王国の窮状の救い主でもあり改革のきっかけとなったこのネーヴェサム魔獣国のアレイン王に嫁いでより国のつながりを強くするか。
勇者は5歳ぐらいでとても私の相手にはなりえない。
アレイン王は多分私より少し年下ぐらいだがまだ現実的だ。
ただ申し訳ないのだが全く前もってアレイン王には知らされず一方的に私を押し付け置いて帰ると言う強引な手段を使ったのだ。
国には私をネーヴェサム魔獣国に置いて来たと言う事実さえあれば後はどうでも言い訳が出来るからだ。
よほどお人よしだと思われているみたいで少し気の毒になってしまう。
アレイン王は部屋に居る私を見て一体の人間型の機械に何かをことづけた。
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