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第28話●公爵ご令嬢?
しおりを挟む「この娘さんを預かってくれんかのう。」
ヴァイグル王国の国王クルヒエムは少し情け無い表情をしてそう言った。
「えーっと、いいですけど。」
ここはきっとあんまり深く事情を聞いてはいけないところだと思う。
その娘さんは20歳ぐらいだろうか金髪碧眼この世界での典型的な貴族の容姿。
怖いのだろう、青ざめているし、少し震えている。
こんな辺境の魔獣ばかりいる国に置いて行かれるのだから恐ろしいし心細いに決まっている。
ターフメとヒナが駆け寄って娘さんの手を握る。
娘さんはビクッとするがなんとか感情の暴走を抑え込んでいる。
ジェネジオ総務大臣が説明しようとするのを申し訳なさそうに制止してクルヒエム王が話し始める。
この娘さんは総務大臣ジュネジオ公爵の長女でペレペルキナさん。
クルヒエム王の長男ニコラッド第一王子とは幼馴染みで婚約していたそうだ。
そして先日の貴族達が集まるパーティの場で王子に一方的に婚約を破棄されたそうだ。
その流れで王国に住みづらくなったペレペルキナお嬢様は辺境の地に来たってわけかー。
イヤイヤ、ロストヒストリーワールドDXllはそんな恋愛ゲームじゃないし、断じて悪徳お嬢様シリーズではないからね。
恋愛ゲームならペレペルキナお嬢様の後に婚約者になったベシェペメって言う平民の子が転生者って言うかゲームプレイヤーだと思うんだが、どうやらちがうようだ。
クルヒエム王がお嬢様にぺこぺこして申し訳なさそうにしている。
「本当にうちのバカ息子がとんでもない事をしおってからに、本当に申し訳ない。」
この王様いい人なんだな。
「王様、若い男女の事なのでそんなに恐縮しないでください。」
ジュネジオ公爵も王様に申し訳なさそうだ。
「あのバカ息子どうしてくれよう。」
怒りがおさまらないようだ。
ターフメとヒナがお嬢様の手を引いて王城を案内しようとしているようだ。
魔獣っ娘達は人懐っこいのか?
ただの好奇心なのか?
王様は魔獣っ娘達へのお土産と言って輸送機いっぱいのおやつや服、アクセサリーを置いていった。
お嬢様の侍女として2体のゴーレムも置いて行かれた。
「ではアレイン王様、娘を末永くよろしくお願いします。」
「は?」
「追って婚礼の品を持って上がりますのでよしなに。」
「??????」
「どこからそう言う話しだったの?」
待って待って、もう何も説明はないの?
「王様、お嫁さんもらったの?」
アイゼイヤとエイベルが手を取りあってワクワクしている。
なんで君達が喜んでいるのかな?
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