魔獣っ娘と王様

yahimoti

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第25話●王都生成

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「きゃあ、これ可愛い。王様これ買っていい。」

ヒナが黄色いひよこのぬいぐるみを抱えて上目遣いで目をウルウルさせている。

それは反則だからな。


城の周辺にもいろいろお店が出来て来た。

商人っていうのは肝が座っている。
商いのためなら魔獣っ娘でも普通に相手が出来るんだ。

まあ、ここの魔獣っ娘にやからやクレーマーみたいなのはいないしね。

ヴァイグル王国からも魔獣っ娘達が喜ぶような物が持ち込まれるようになって来た。

何が縁になるにか分からないもんだ。

大劇場も作ったので時々ケルビムのライブなどがあって魔獣っ娘も退屈しなくていい様になってきた。

街を作るには上物ももちろんだけど水道や下水、魔力線などのインフラ整備が大変だった。

王都生成のスキルを使ってみたんだけどやっぱり魔力不足で倒れた。

城を作った時と同様にたくさんの魔獣っ娘達が集まって来て目が覚めた時には街が出来ていた。

いつの間にか商人や職人達が集まって街に住む様になった。

施政については賢いアンドロイドとゴーレムが協力してやってくれている。

俺には統治なんて出来ないしね。

街を構成する建物は太い木の梁と漆喰で出来ている。

ドイツで見たハーフ・テンバー様式に似ている。

中世ヨーロッパ風っていうテンプレを外さないんだ。

いろいろな工房やお店、そこに勤める人達の住宅など。

公園や劇場、宿、王城前の大広場を取り囲む様に街がある。

大広場はみんなでバーベキューをする場所だから必須なんだ。

ぐるりと露店が並んでいる。
防壁は意味がないので作っていない。

魔獣っ娘を怖がらなければ、すごく安全な場所だし、入市料だけ払えば無税だからね。

サンドワームなどは街の近くには寄りつかない。

最近は地面から少し浮かんで走る自動車みたいな浮動機も増えてきた。

人間達に混ざって働くゴーレムもたくさんいる。

この辺境の地が賑やかになったもんだ。






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