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第9話●またなんか来た。
しおりを挟むザンブリコとお湯を頭からかぶる。
ゆったりと温泉を楽しんでいるのに誰だ、飛び込んだのは。
もう少し離れたところで遊びなさい。
さすが魔獣っ娘だけあって人間みたいに裸が恥ずかしいなんて感覚はないみたいで、みんなすっぽんぽんで無邪気に遊んでいる。
いいんだけどな。
俺だけ恥ずかしがってパンツはいて風呂に入っているってなんかヤダ。
「なんか来た。」
洞窟の外でアイゼイヤが叫ぶ。
魔獣っ娘達が一斉に出て行こうとする。
「待て待てー。とりあえず服を着ろー。」
なんで俺のインベントリに女子の服がいっぱい入っているのかって、絶対わかっていてやったでしょ神様。
洞窟を出てみると大型の魔導飛機が2機に大勢の冒険者の方々。
かなりいい装備の男前の兄ちゃんが声を掛けて来た。
「こんにちはー。私カヴートの街で冒険者をやっているストラーニと申します。」
「こちらに前に冒険者のおっちゃんがご迷惑をおかけした金龍さんはいらっしゃいますでしょうかー。」
なんか、ちゃんとした人だな。
鑑定してみるとレベル40の剣士でAクラスの冒険者だ。
さすがAクラスになると品格も違うもんなんだな。
「はーい、はーい。」
ザウアーラが元気良く返事する。
冒険者達がビクッとして身構える。
「おいストラーニ何やってんださっさと金龍を討伐して倅の仇を討ってくれ。」
ストラーニは困った顔をしている。
「ランドール男爵様、討伐どころか無事に帰れるかどうかと言う事態ですよ。」
「何を言っておる女子供しかおらんではないか。」
ストラーニは周囲を見回しして絶望した。
なんだこりゃ災害級の魔獣達に囲まれてしまっているじゃないか
あの一人だけ混ざっている人間でもレベル99ある。
ジョブが王様ってなんなのだろう?
ストラーニは鑑定が使える、そのおかげもあってAクラスになるまで生きのびてきた。
だがえらいところにノコノコところに来てしまった。
「そこの王様、あなた王様ですよね。」
アレインはビクッとしたがまあ鑑定はそれほど珍しいスキルじゃない。
と思い直した。
「一応ジョブはそうだけどね。」
「この娘達あなたの言うことをきくのかな?私達は生きて帰れます?」
いやーそんなこと言われても別に来てって頼んだわけでもないし。
「ザウアーラおいで。」
とりあえずザウアーラに大人しくしてもらう。
「おーさまーおーさまー、何か面白い事あるかなー。」
「んー。どうかなぁ。」
まあ、この娘達が何か面白ろがれればそれはそれで助かるかな。
どうやらびびっているみたいだしつけ込んでみるかな。
「あんた達何かおやつとか面白いもの持ってないかな?」
ストラーニがランドール男爵に状況を説明している。
ランドール男爵の顔がどんどん青くなっていく。
一緒に来た冒険者達がざわついている。
アイゼイヤがノコノコ彼らに近づいていく。エイベルも一緒だ。
こらこらお前らが出て来ると話しがややこしくなるだろうが。
魔導飛機が珍しいようだ。
「王様、王様、これなーに。」
魔導飛機の防衛システムが反応しているのかジリジリと後退りしている。
機械なのに生き物みたいな動きするんだな。
もう一機の魔導飛機から何やらきれいなお姉さんが降りてきた。
瞳は赤く髪は白、角が頭の両側に付いていてフワッとした柔らかな表情をしている。
魔獣っ娘達が一斉にお姉さんを見る。
「アーシェルだ、魔王アーシェルが来たー。」
有名人?
「久しぶりじゃの。」
魔獣達と挨拶を交わしている。
あれが魔王か。
確か勇者の嫁さんだったな。
それにしてもさすが魔王だけあって魔獣達とも仲良しなんだな。
「そちがこの娘達の王か?」
アーシェルも鑑定のスキルをもっているようだ。
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