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第6話●なんか増えた
しおりを挟む「久しぶりに起動したと思ったらいきなり謎の不思議生物が出て来て最新兵器が全く通用しないってどういう事?」
アンドロイドの姉ちゃんが半泣きで怒ってる。
「こいつらヒマなので珍しいもの見ると、はしゃいじゃうんだよ。」
「で、ここはどこなの?センターとはコネクト出来ないし。」
「お姉ちゃん達はどこから来たの?」
ようやく話しかけることが出来た。
そう言うアレインの方を向くとアンドロイドのお姉ちゃんの様子が変わる。
目の色がいろいろ変化し始めておでこに数字や英文がスクロールされている。
「マスターと同類の神経信号の周波数を検知。所有者の更新プロトコルを開始します。」
「えっ。ちょっと待て。」
と言うが無視の様だ。
なんかやっかいなものを押し付けられるような予感。
「名前を言ってください。」
なんかやだな。
「なーまーえー。」
強引だなー。
「王様はー。アレインって言うんだよー。」
「アイゼイヤー。なんで言う。」
「名前を確認しました。更新プロトコルを完了します。アレインを所有者として登録しました。」
「勝手だなー。君達は日本製なの?
誰が作ったのかな?」
メーカー名は書いてないのかな?
「定格とかPSEマークとかどこかに書いてあるの。」
アンドロイド達はみんな顔を赤くして「エッチ。キモ。」
などと言う。
今の質問のどこにそんな要素があったって言うんだ?
「私達は独田博士が研究の一環として作ったのよ。」
「独田?あのマッドサイエンティスト独田 能(どくた のう)の事?」
前世の新聞で見たことがある。
ちょっとその時代におかしいだろうってものを発明して発表するんだ。
でも説明が誰にも理解できないのでいつのまにかどこにも採用されないでたち消えになってしまうんだ。
科学者と言うより芸術家か芸人だと思っている人の方が多いかもしれない。
「マッドサイエンティストって失礼な、誰にも理解されない程、優秀でへんてこなだけよ。」
「そうじゃないとあの時代でわたし達みたいな高度なアンドロイドは作れないわ。」
まあそれはそうかもしれないけど、
なんでこんな所にいるんだろう?
「絶対あの助手がなんかやらかしたのよ。」
とか言っているけどその助手ってヒョロっと背が高くて度の強い眼鏡をかけている人?
いつも博士の記者会見の時に隣にいた。
その後の調査でタイムマシンのつもりで作ったディメンジョントラベラー(次元間旅行機)を無設定のまま起動させたので周囲の施設を巻き込んでこの異世界に来たみたいだ。
人を移動させる事は出来なかった様だ。
一部時間の経過の影響を受けない場所があるのもその機械のせいだろう。
「それで君達は何が出来るの?」
すっかり落ち着いたアンドロイド達に聞いてみる。
5体もあるんだ何かの役に立つんじゃないかと期待する。
「高度なテクノロジーで出来ているので人間のように話しが出来て、感情表現が出来て、ご飯やおやつを食べることが出来て、昼寝とかも出来るわ。」
物凄く自慢顔で言われる。
「何か作れるとか、そうだな料理が出来るとかは?」
「女性型だとすぐに料理とか家事とか言うのは女性に対する偏見、ジェンダーフリーに対する挑戦だわ。私は断固抗議するわ。」
なんか怒り出した。面倒くさいタイプの様だ。
仕方なく他のアンドロイドと話しをする。
「私達は研究用に作られた最新鋭機だから特定の目的は持たされていないわ。」
こいつも自慢げだ。
ご飯が食べられて、寝る事が出来るって何にも出来ないじゃん。
まあ考えてみれば前世の当時のテクノロジーでこれを作るのは至難の業だよな。
「うーむ、わかった。じゃ自由にしておいてね。」
そう言って洞窟を出て行こうとする。
「えーっ。まって、まって、マスター置いていかないで。」
アンドロイド達があわててついて来る。
確かに高性能だ。
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