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第79話 もう一人の転生者3
しおりを挟むそれにしても僕はまた一人になってしまった。
おそらくユウトが倒したであろう魔物のたくさんのドロップアイテムを持っているのでユウトに会いたいとマッテオさんに言うと
「ロイス侯爵の家に居る。平民でも問題ない。」
とのこと。
コージがロイス邸にわしに会いたいと言って来た。
わしはコージと言う者は知らないがマッテオがわしの事を教えたらしい。
いつものように中庭でくつろいでいるとメイドが案内して連れてきた。
「ダンジョンでは助かりました。」
とコージは言うがわしには覚えがない。
なんでもダンジョンの下層でパーティに置き去りにされたらしい。
酷いことをする奴がいるもんじゃ。
「じゃが、コージは充分強いじゃろう。わしが通りかからなくても大丈夫だったはずじゃが。」
と言うと「僕には戦闘職のジョブがないので無理です。」
と言う。
「コージは付与が使えるのじゃろう。」
「自分にバフをかけて魔物にデバフをかければ負けないし、拾った棒にファイアーでもなんでも魔法の付与をすればいい武器にもなる。」
「錬金術が使えるし武器の知識もあるんじゃからマシンガンでもミサイルでも作れるじゃろう。」
コージはわしの話しを聞いてビクッとする。
そりゃ転生者でもなければマシンガンやミサイルなんて知らないはずじゃから。
「ユウトは転生者なの。」
「コージもな。あのボードゲームはコージが作ったんじゃろう。」
あれも転生者でもなければ知るわけがない。
黒猫が警戒する様にコージの前で身構える。
「強いお姉ちゃんもついているじゃないか。ケットシーじゃろうお姉ちゃん。」
「なんでわかったのかしら、ずっと隠蔽していたはずなのに。」
と黒猫が言う。
「えーっチャオ喋れたの。」
コージがびっくりしてチャオと呼んだ黒猫を持ち上げる。
チャオは黒いゴスロリ風の服を着た猫耳のお姉ちゃんに人化する。
「猫じゃなかったの。えーっ。」
「ごめんね、コージなかなか打ち明ける機会がなくて。」
コージの顔が真っ赤になっている。
そりゃそうじゃ猫だと思ってチュッチュしたり、抱っこして寝たり、一緒にお風呂入ったり、その他女の子に知られたくないいろいろをしてたじゃろうからのう。
「ケットシーとは羨ましいのう。」
コージが慌てて
「あげませんよ。」
と言う。
「そんな大事なものもらえんわ。」
と言ってやる。
「コージはわざわざお礼を言いに来たのか?」
「あの時に拾ったドロップアイテムをたくさん持っているので返そうと思って。」
「持っといたらいいよ。わしが拾わなかったんじゃからそれはコージのものじゃ。錬金の材料にも使えるじゃろう。」
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