転生勇者の異世界見聞録

yahimoti

文字の大きさ
上 下
79 / 117

第79話 もう一人の転生者3

しおりを挟む

それにしても僕はまた一人になってしまった。

おそらくユウトが倒したであろう魔物のたくさんのドロップアイテムを持っているのでユウトに会いたいとマッテオさんに言うと

「ロイス侯爵の家に居る。平民でも問題ない。」

とのこと。


コージがロイス邸にわしに会いたいと言って来た。

わしはコージと言う者は知らないがマッテオがわしの事を教えたらしい。

いつものように中庭でくつろいでいるとメイドが案内して連れてきた。

「ダンジョンでは助かりました。」

とコージは言うがわしには覚えがない。

なんでもダンジョンの下層でパーティに置き去りにされたらしい。

酷いことをする奴がいるもんじゃ。

「じゃが、コージは充分強いじゃろう。わしが通りかからなくても大丈夫だったはずじゃが。」

と言うと「僕には戦闘職のジョブがないので無理です。」

と言う。

「コージは付与が使えるのじゃろう。」

「自分にバフをかけて魔物にデバフをかければ負けないし、拾った棒にファイアーでもなんでも魔法の付与をすればいい武器にもなる。」

「錬金術が使えるし武器の知識もあるんじゃからマシンガンでもミサイルでも作れるじゃろう。」

コージはわしの話しを聞いてビクッとする。

そりゃ転生者でもなければマシンガンやミサイルなんて知らないはずじゃから。

「ユウトは転生者なの。」

「コージもな。あのボードゲームはコージが作ったんじゃろう。」

あれも転生者でもなければ知るわけがない。

黒猫が警戒する様にコージの前で身構える。

「強いお姉ちゃんもついているじゃないか。ケットシーじゃろうお姉ちゃん。」

「なんでわかったのかしら、ずっと隠蔽していたはずなのに。」

と黒猫が言う。

「えーっチャオ喋れたの。」

コージがびっくりしてチャオと呼んだ黒猫を持ち上げる。

チャオは黒いゴスロリ風の服を着た猫耳のお姉ちゃんに人化する。

「猫じゃなかったの。えーっ。」

「ごめんね、コージなかなか打ち明ける機会がなくて。」

コージの顔が真っ赤になっている。

そりゃそうじゃ猫だと思ってチュッチュしたり、抱っこして寝たり、一緒にお風呂入ったり、その他女の子に知られたくないいろいろをしてたじゃろうからのう。

「ケットシーとは羨ましいのう。」

コージが慌てて

「あげませんよ。」

と言う。

「そんな大事なものもらえんわ。」

と言ってやる。

「コージはわざわざお礼を言いに来たのか?」

「あの時に拾ったドロップアイテムをたくさん持っているので返そうと思って。」

「持っといたらいいよ。わしが拾わなかったんじゃからそれはコージのものじゃ。錬金の材料にも使えるじゃろう。」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

貧弱の英雄

カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。 貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。 自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる―― ※修正要請のコメントは対処後に削除します。

【幸せスキル】は蜜の味 ハイハイしてたらレベルアップ

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はアーリー 不慮な事故で死んでしまった僕は転生することになりました 今度は幸せになってほしいという事でチートな能力を神様から授った まさかの転生という事でチートを駆使して暮らしていきたいと思います ーーーー 間違い召喚3巻発売記念として投稿いたします アーリーは間違い召喚と同じ時期に生まれた作品です 読んでいただけると嬉しいです 23話で一時終了となります

規格外で転生した私の誤魔化しライフ 〜旅行マニアの異世界無双旅〜

ケイソウ
ファンタジー
チビで陰キャラでモブ子の桜井紅子は、楽しみにしていたバス旅行へ向かう途中、突然の事故で命を絶たれた。 死後の世界で女神に異世界へ転生されたが、女神の趣向で変装する羽目になり、渡されたアイテムと備わったスキルをもとに、異世界を満喫しようと冒険者の資格を取る。生活にも慣れて各地を巡る旅を計画するも、国の要請で冒険者が遠征に駆り出される事態に……。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

異世界転生ファミリー

くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?! 辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。 アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。 アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。 長男のナイトはクールで賢い美少年。 ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。 何の不思議もない家族と思われたが…… 彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。

処理中です...