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第74話 アリシア1
しおりを挟むロイス邸の中庭では仲良くなったルチアナと第二王女のクーラウが小さなゴーレムをたくさん作っている。
第一王女のルデリーナがゴーレムの家を魔法で作る。
第三王女のイリーナがゴーレムの家の周りに花を咲かせて一緒にお人形遊びをしている。
リルは中庭を走りまわっている。
ムートとアサンは最近流行っているボードゲームをしている。
わしはレティシアの膝にのせられてぼんやりとお茶を飲んでいる。
少し肌寒くなって来たようだ。
「話しには聞いていたけど、うちも賑やかになったのね。」
そう言って中庭にレティシアの小型版が出て来る。
「アリシア、帰っていたの。」
「さっき着いたところ。その子が勇者なの。」
アリシアは王都の魔法学校に行っている。
魔法学校は12歳から15歳までの3年制。
12歳の適正検査で魔法に適正のある子供だけが行く全寮制の学校だ。
適正のない子供は一般の学校か騎士学校に入る。
フィリップもレティシアもは騎士学校に行っていた。
レティシアが生活魔法や探索魔法が使えたのに騎士学校に行ったのはフィリップの影響じゃろう。
アリシアはレティシアからわしを取り上げるとジーっと観察するような目で見る。
そして頭を撫でながら「あなたわたしをお姉ちゃんと呼びなさい。」
と言う。
「私、末っ子だから弟が欲しかったの。」
とルンルンじゃ。
「水を差すようで悪いがわしはアリシアより年上じゃと思うぞ。」
ふふんっとアリシアは鼻を鳴らすとわしをひょいと抱え上げて言う。
「このちっちゃい子供のどこが私より年上なのかしら。」
わしは足をぶらぶらさせる。
地面に届かない。
「おまえが大きいだけじゃろう。」
ルチアナや三人の王女達が集まってくる。
アリシアはみんなを見回して「ユウトはいくつぐらいに見えるかしらね?」
と意地悪な顔をして言う。
「イリーナぐらいかしら。」
とルデリーナ。
クーラウは
「もう少し小さいかも。」
と言う。
「私と同じくらい。」
とイリーナが言う。
ガーンとショックを受けた。
神が12歳ぐらいに見えたので姿の似ているわしもそのぐらいじゃと思っていたが違うのか?
確かにイリーナが並ぶとイリーナの方が少し大きいぐらいじゃ。
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