転生勇者の異世界見聞録

yahimoti

文字の大きさ
上 下
60 / 117

第60話 カニツアー3

しおりを挟む


と言うわけで猫耳しっぽ亭に来た。

「あれはカニカマだにゃ。ここら辺では獲れないから出回らないんにゃ。」

と猫獣人族の親父が言う。

「カニは美味しいにゃ。昔食べたことあるにゃ。隠居した貴族や商人がカニ食べ馬車ツアーで2ケ月ぐらいかけて出かけるにゃ。」

そりゃ豪勢じゃな。

「最近は帝国の旅行社が転移魔法を使って日帰りや1泊ツアーを始めてお手頃になったらしいにゃ。」

エイドガー宰相は頑張っているみたいだ、なかなかやるね。

「えー、ムートに乗って行くの?」

マッテオは高い所が怖いんだ。

「この前に乗って慣れただろう。」

「慣れるもんか、しかも今度はもっと遠いから長い時間飛ぶんだろう。」

「無理だから。ユウトの転移魔法で行けばいいじゃないか。」

そんなこと言うとムートが拗ねるぞ。

ムートが涙目になってわしを見る。

「マッテオ、ムートいじめた。最低。」

ユリアンナが言う。

「マッテオ大丈夫怖くない方法がある、ちょっとこっち来て。」

「え、なになに。」と不用心に顔を近づけてくる。」

わしは素早く優しめのデコピンをしてあげる。

マッテオがへたーっと気絶する。

タピタがうわあと言う顔をして見ている。

「今のうちに乗せちゃえ。」

ムートに人化を解かせてみんな乗る。

マッテオはムートのツノに縛り付ける。

みんなの周りに障壁を張り重力魔法で固定する。

「ムート、思いっきり飛んでもいいぞ。」

ムートは嬉しそうにのびのびと翼を広げると飛び上がる。

充分に高度を取ると一気に加速する。

ドーンとソニックブームが起こる。

これ低空でやると街や森が吹き飛んじゃうからね。

上空は青というより藍色に近い。

見下ろすと白い雲が流れている。

ムートの後ろに白い飛行機雲が出来る。

翼はあるけどなんか前世とは違うシステムで飛んでいるんだと思う。

物理とか科学とかじゃない感じ。

国際線の飛行機の窓から外を見たのと同じような景色が広がっている。

マップを見るとどんどんホビエの港街に近づいて行く。

もう少しなのにマッテオが目を覚まして騒ぐ。

でも大丈夫、ムートに少し背面飛行をさせるとすぐに大人しくなった。

港街近くの街道に降りる。

人化したムートが抱きついて来て

「思いっきり飛べたよ、翼が久しぶりにのびのびした感じ、楽しかったよ。」と言う。

「ムート良かったのう。」と言って頭を撫でる。

「ユウト、ムートにあまあま。」

レティシアが呆れている。

「マッテオ、全然怖くなかったじゃろう。」

そう言いながらヒールでマッテオのおでこに出来たたんこぶを治す。

「そういう問題じゃない。」とマッテオが怒る。

「ユウトのデコピンなんかされてたらその内おれは死んでしまう。」

「大丈夫だよちゃんと加減しているから。」

「本当か?」

「だいたいこのぐらいの加減かな。」

と言って街道の木にちょこんとデコピンをして見る。

ドコーンと音を立てて木に穴が開いた。

「あれっ、ちょっと強いかな?」

マッテオが真っ青になった。

「大丈夫だよ、死んでも治るから。」

「いや、だからそういう問題じゃないから。」




しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【幸せスキル】は蜜の味 ハイハイしてたらレベルアップ

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はアーリー 不慮な事故で死んでしまった僕は転生することになりました 今度は幸せになってほしいという事でチートな能力を神様から授った まさかの転生という事でチートを駆使して暮らしていきたいと思います ーーーー 間違い召喚3巻発売記念として投稿いたします アーリーは間違い召喚と同じ時期に生まれた作品です 読んでいただけると嬉しいです 23話で一時終了となります

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

加工を極めし転生者、チート化した幼女たちとの自由気ままな冒険ライフ

犬社護
ファンタジー
交通事故で不慮の死を遂げてしまった僕-リョウトは、死後の世界で女神と出会い、異世界へ転生されることになった。事前に転生先の世界観について詳しく教えられ、その場でスキルやギフトを練習しても構わないと言われたので、僕は自分に与えられるギフトだけを極めるまで練習を重ねた。女神の目的は不明だけど、僕は全てを納得した上で、フランベル王国王都ベルンシュナイルに住む貴族の名門ヒライデン伯爵家の次男として転生すると、とある理由で魔法を一つも習得できないせいで、15年間軟禁生活を強いられ、15歳の誕生日に両親から追放処分を受けてしまう。ようやく自由を手に入れたけど、初日から幽霊に憑かれた幼女ルティナ、2日目には幽霊になってしまった幼女リノアと出会い、2人を仲間にしたことで、僕は様々な選択を迫られることになる。そしてその結果、子供たちが意図せず、どんどんチート化してしまう。 僕の夢は、自由気ままに世界中を冒険すること…なんだけど、いつの間にかチートな子供たちが主体となって、冒険が進んでいく。 僕の夢……どこいった?

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

処理中です...