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第31話 スタンピード4
しおりを挟むダンジョンマスターに会うにはもちろんダンジョンをクリアしなければならない。
ダリオスのダンジョンはまあまあ上級クラスで階層は60まである。
「面倒臭いな、向こうから出てきてくれないかな。」
とか言っていると。
「こーらこらこら、あんた達なんてことしてくれてんの。」
ひょろっとして角が生えてて黒っぽいにいちゃんがダンジョンから出てくる。
「えーと、もしかしてダンジョンマスター様でいらっしゃいますでしょうか。」
「んー。そうだけどそれ長いからウロちゃんって呼んでくれる。みんなそう呼ぶから。」
もうなんかなんでも都合良すぎるな。
ほんとに出てきてくれたよ。
「それで、大変恐縮なんですがお願いがございまして。」
「あー、待て待て先に僕の言いたいことから言わせてほしいなあ。」
ウロちゃん腕組みして怒ってらっしゃる。
「百年に一度のスタンピード祭りなんで魔物の大盤振る舞いして冒険者や騎士達を待ってたのに。バハムートのブレス一発ってそれはないんじゃないの、反則だよそれ。」
「あー。あのーウロちゃん様」
「それダメ、ちゃんと様の敬称が被ってるから、二重敬称だめよ。ウロちゃんだから。」
なんかやりにくいな、とはいえこっちが一方的に悪いしなー。
100対0でこっちが悪い。
強く出られる要素なし。
レティシアもムートもおろおろしてる。
「えーと、ウロちゃんごめんね。ちょっとした手違いなんじゃ。」
「そーそれそのノリ。で、どうすんの?」
「言いにくいんじゃがもう一度魔物用意できないかな」
ウロちゃんは腕組みをしてなんか考えている。
「大サービスでみんな出しちゃったから在庫がないんだよね。ドロップアイテムも用意しないと行けないしね。」
とわしを見る。持っとるの知ってて言ってるね。
「あ、ドロップアイテムなら集めてあるんでお返しできるんですけど。」
ひたすら低姿勢あるのみじゃ。
伊達に長いこと会社員やってたわけじゃないのじゃ。
人生頭下げてなんぼじゃ。
「いいねえ、君ならなんとかできるよ。実は魔物作るのにノリノリで調子こきすぎてダンジョンコアの魔力が残ってないんだ。今ならダンジョンコア破壊も簡単だよ。」
あんた、そんなこと言ってほんとにやられちゃったら死んじゃうよ。
「そのダンジョンコアに魔力が充填できればいいのか?」
「そ、君の魔力量なら余裕でしょ。」
と言うことで無事スタンピードを再現して冒険者や騎士達には手柄を立ててもらい、ドロップアイテムで儲けてもらった。
今回はウロちゃんに協力してもらって冒険者や騎士達の戦力にあった魔物の量にしてもらったしね。
ダンジョンコアも再度満タンにしておいたし。
めでたし、めでたしじゃ。
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