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第23話 ダンジョンボス2
しおりを挟むオーガを倒したところでわしは抑えていた魔力を解放する。
詰まっていた鼻がすっきり通った感じじゃな。
マップ上では魔物を示す赤い点がわしらを中心にしてサーっと広がって行くのがわかる。
「おなか減った、お昼ご飯にしよう。」
インベントリからテーブルや椅子を出して並べる。
みんなに座ってもらってから更に寸胴やお釜を出す。
お皿にライスを盛ってカレーをかける。
以前、ロイス邸の厨房を借りて作ってインベントリにしまっておいたんじゃ。
インベントリの中は時間の経過がないので出来立てのホヤホヤじゃ。
「どんだけ作ったのよ。食べきれないんじゃない。ちっちゃいのに。」
レティシアが呆れて言う。
「いや俺は食うぞ、少なくとも3杯は食う。」
マッテオは自慢そうに言う。
いや、お前はちょっとは遠慮しろ。
「残ってもずーっと保存できるし、わしゃ毎日カレーでも問題ない。」
既にタピタは黙々と2杯目を食べている。
「アウトドアでご飯といえばカレーライスよね。」
そう言いながら、やはり2杯目に手を掛けるユリアンナ。
そんなに必死になって食べなくても無くならんぞ。
作ったカレーの寸胴はインベントリにもう一つあるし。
作っているうちにいっぱいになってしまったのじゃ。
散々食べた後はゆっくりお茶をしてダンジョンは昼寝をしてからじゃな。
ダラーっとしているワシ達を後から来た冒険者が不思議そうな顔をして通り過ぎていく。
「このダンジョン今日は11階層からここまで全く魔物が出てこないんだ。なんか変だな。」
と仲間と話をしている。
この後どっと出てくるから気を付けないと危ないよとは思うが、初心者向けダンジョンだしBクラスの冒険者に子供がどうこう言うことでもない。
「また、魔物が出なくなった。」マッテオが不満そうに言う。
「もう、途中経過はいいからダンジョンボスのところに行こう。」
「何にもしないでレベルだけ上がるって言うのは強さ的にどうなんだろう。レベル=強さなのかな?」
タピタが不安そうに言う。
確かに戦いのかけ引きや魔物毎の攻略方法など経験によることは大きいと思う。
だけど簡単に冒険者が死んでしまうようなこの世界ではその経験を得るために死んでしまったと言うことがあり得ないわけじゃない。
死んだら終わり。
生き返ることができるゲームの中ですらデスペナルティを避けるために難易度の低いクエストを何度も繰り返してレベルを上げてから先に進む。
死ななくなってから経験を積めばいいのだ。
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