転生勇者の異世界見聞録

yahimoti

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第18話 神の再臨

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わしは未だにロイス邸でやっかいになっておる。

いつまでも迷惑をかけていてはダメだとは思っているのじゃが。

ロイス邸ではいるのが当たり前のようになっている。

厨房でプリンを作っているとお抱えのシェフがかき混ぜるのを手伝ってくれるし。

風呂に入っているとメイドがレティシアに言いつけるので毎回レティシアが乱入してわしの頭や体を洗う。

中庭で本を読見ながら微睡んでいるといつの間にかベッドで寝ている。

レティシアがわしを抱えて添い寝しているけど。

絶対に飼っている猫かぬいぐるみだと思っとる。

馬車でも通れそうな広さの廊下を歩いていると大広間に着く。

博物館とか図書館が好きだったけどロイス邸も天井が高くて、静かで、似たような空気感がある。

広々としたこの部屋は通常は使われずパーティなどのイベント用らしい。

広間の天井を見上げる。空の絵が描いてある。

白い雲が覆っていてところどころ青空が見えていて、光が差し込む様子を金色の線で表現している。

大きなシャンデリアに付けられたカットされたガラスがキラキラと光っている。

ステンドグラスの色が鮮やかで美しい。

その光がだんだんと強さを増して真っ白になっていく。

転生してきた時に似ている。

わしの場合、この世界に生まれて来たわけではないので

転生じゃなくて転移なんじゃないかな?

「違うよ。転生なんだけどちょうどいい器がなかったので作ったんだよ。」

と唐突に現れた神だと思われるものが言う。

ここは教会じゃないんじゃが。

それに作ったって、多分自分をモデルにしたんじゃろう。

だからステータスがぶっ壊れているんじゃ。

「僕にはここがどこでも関係ないんだ。教会だって人が勝手に作ったものだしね。」

「なんでわしを転生させたのじゃ。」

「別に目的も理由もないよ。だからこの世界で自由に生きていいよ。」

「この世界はあなたが作ったのか?」

「違うよ。」

「じゃあ他の神様が作ったの。」

「それも違う。世界は偶然と気まぐれでできているんだよ。そこには運命も使命もないんだ。」

「今は楽しいかい。」

わしが頷くと神はニッコリと微笑んで。

「それは良かった。また会いにくるよ。」と言って消えた。

この手のはなしでよくある美しい女神様ってわけじゃないんだなと独り言をつぶやく。

「それもできるけど、そうする?」

と言ってまた神様が現れる。

「あっ、ごめんなさい。今のままでお願いします。」

「そう、じゃまた。」

と言って消えていく。

聞こえてたんだ。

びっくりした。
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