転生勇者の異世界見聞録

yahimoti

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第15話 ダンジョン2

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マッテオがわしの顔をチラチラと見てはニンマリしている。

気持ちが悪い。

何を思ったのかカーラがわしをひょいっと抱えて頭を撫でる。

「なんじゃ。」

「いいじゃない、柔らかそうだったから抱っこしてみたかったのよ。」

「じゃあ、私も。」

と言いながらユリアンナがカーラからわしをひったくる。

「なによまだ抱っこしたばかりなのに。」

と言ってユリアンナが抱えたわしを引っ張る。

「ちょっと俺にも。」

とタピタまで。

「いいかげんにしなさい。ユウトはおもちゃじゃないのよ。」

と言いながらレティシアがタピタからわしを引き剥がして抱える。

おまえもな。とわしは言いたい。

だいたいわしはおまえ専用のぬいぐるみじゃないんじゃ。

レティシアの腕を振りほどいて地面に降りる。

レティシアがちょっと残念そうな顔をしている。

ダンジョンの中で何をしとる。

と言いたいところだが全然魔物が現れないのだからしょうがない。
緊張感もなくなるじゃろ。

マップを開くと魔物の光点がわし達を中心として離れて行く。
逃げているようだ。

わしのステータスを感じて避けようとしているのか?
しかしこの先は行き止まりなんじゃが。

魔物達がどんどんと先の通路に集まる。

そこには下界層に降りる階段のあるのじゃがこの階層の魔物は下に降りられないようじゃ。

行きどころがなくなって集まった魔物が押し合いへし合いしながらかたまっていく。

もうこれ以上はくっつけないんじゃないかと思いながら歩いて行く。

突然魔物達がパーっと光りのつぶつぶになって消えてしまう。

それを見てマッテオ達は

「うわあ。」

と微妙な表情をしてわしを見る。

動物虐待の非難をされているような気分になる。

わしは何もしとらんぞ。

あいつらが勝手にぎゅっと集まってプチっと潰れたんじゃ。

その後10階層まで降りてみたがどこも同じじゃった。

面白くない。

10階層ならボス部屋があるのでちょっと期待したのじゃが・・・。

ボス部屋の扉を開けるとオーガがこちらに宝箱を押しやって奥の壁に貼り付いていた。

「なんか可愛いそうになるね。」とカーラがつぶやく。

「何を言っている、こいつらは相手が弱いと見るとなぶり殺しにしてガリガリと食うんじゃぞ。」

まあ、わしもうまそうなやつだとぶちのめして食うから違いはないんじゃが。

とりあえず先に行きたいのでボスは倒さないとね。

オーガは状況をさとったのか壁を探って隠し扉を開けると走って逃げて行ってしまった。

なんじゃこりゃ。
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