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第5話 ギルド1
しおりを挟むレティシアの上司が詰所に戻ってきた。
「レティシアその子供を教会の孤児院に連れて行け。」
この世界では女子でも騎士団員になれるのか。
かっこいいのじゃ。
くっころとか言うんじゃろか。
じゃが孤児院はやじゃな。
閉じ込められて自由がなくなるじゃろう。
逃げちゃえばいいんじゃろうけど追われる身とか面倒くさいのはやじゃし。
「やだ。孤児院には行かない。」
「はあ、何言ってんだおまえ。身寄りもないのにどうするのだ。」
「孤児院に入れば寝るところも食事も与えられるんだぞ。」
お金はあるからそう言う事には困らないと思うのじゃがなー。
まだこの世界がわかっていないからなー。
「そうだなー。ギルドに入って冒険者になるのじゃ。」
「こんなにちっちゃいのに冒険者なんて無理だ。」
とレティシアの上司は言う。
「そんなことあんたに関係ないじゃろ」
レティシアの上司は顔を真っ赤にして怒り出した。
「おまえのことを心配してどうしたらいいか考えたり手配しているのになんだその物言いは。」
「確かに子供でもギルドに登録できるがそれだけじゃ生きていけんぞ。」
優しさいっぱいだな、この人。
「あのーお兄ちゃん。」
「外ではお兄ちゃんと呼ぶなと言っているだろがー。」
「あー、ごめん。たぶんこの子大丈夫だと思うよ。」
「いいかげんなことを言うなー。こんな小さいのに大丈夫なわけないだろ。」
「馬車の屋根ぶっ飛ばしたのこの子よ。ねっユウト。」
なんでバレた。
レティシアのお兄ちゃんは呆れたと言う顔をして
「いいかげんなこと言うなレティシア、そんなわけないだろ。」
「だがおまえが面倒をみるなら好きなようにしろ、俺は知らんぞ。」
と言って詰所を出て行ってしまう。
お前も子供じゃん、とか言われても中味はじじいじゃからのう。
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