そのAIゴーレムっ娘は猫とプリンの夢をみる

yahimoti

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第40話●大荒野でピクニック

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「今日は私達も大荒野に連れて行ってください。」

トラとハチが言う。

おかしいな。そんな事を言ったり、考えたりするようには作っていないんだけどな?

「お店はお休みだからいいよ。」
二人はやったー。と飛び跳ねている。

いや、おかしい?そんな感情表現みたいなことしないはず。

僕は転移でグローヴズ城に行く。
師匠に聞くのが一番。

「コージちょうどいい所に来たね。ユウトがドーナツを作ったところだよ。」

ペトロニウスはコージが来るのが当たり前のように言う。

そしてコージの相談に答える。

「コージがゴーレムの保護法を前提に技術公開したのは正しいと思うよ。」

「精霊って知っているかい?」

「これはまあどこにでもあるんだ。魔力や魔法の発現とも関わっているよ。」

「これがいろいろなものに宿っちゃうんだ。」

「それがこの我々にとっての剣と魔法の異世界の理なんだ。」

「だから人形のはずのゴーレムがパーソナリティを持ってしまう。」

「いろいろな無生物が持たされた形の特徴や能力を持つんだ。びっくりだろ。」

「それじゃあ、ゴーレムを大量の生産するラインに載せちゃダメなんじゃないのかな。」

「わかっていて保護法で制限したんだろう?出来てしまったんだからこの世界の禁忌事項に引っかかってないって事さ。」

「それになユウトも僕も気に入っているんだ。コージの作るゴーレムのデザインセンス。」

「あ、あれだな。耳とかしっぽの素材にめっちゃこだわっているだろう?いいな、あれ、いいよ。うんうん。」

ペトロニウスなんかあぶないよ。

ペトロニウスが変になるとチェリがドーナツを包んだものを持って来て目配せで合図をくれたので速やかに猫舌屋に帰った。

「どこに行ってたのよ。」

ヘルミーネお嬢様が来ていた。

「あら、なんかいい匂いがする。」

マリタお嬢様がドーナツに気がついた。

「大荒野に持って行っておやつにしよう。」

普通、大荒野でのんびりおやつする人はいないけどね。

そう思っていたんだけど。

大荒野で5体のMS -28ファーマーを外向きに体育座りさせてその内側でお茶を沸かしてくつろいでいる人達がいた。

「おおう。お嬢ちゃん達、材料集めかい。一休みしていくかい。」

なんか大荒野の開拓しているから、いかついオッサン達かと思いきや、なんかヒョロヒョロしたイケメンのにいちゃん達。

そりゃそうか。

魔導装衣を動かすのに力なんか要らないし。

「おお、ドーナツか、いいね。俺らからはこれをあげるよ。」

「うわー。生クリームいっぱいのロールケーキだ。」

お嬢様方もマヨネもご機嫌のようだ。

大荒野でこんな呑気なことが出来てしまうなんて。

「サンドワームが飛び出した穴を押し広げて鉱脈まで掘り進むんだ。もうちょっとで到達するよ。やっぱりキーちゃんはすごいよ。」

多分キーちゃんって魔導装衣に名前つけちゃっているんだろうな。

この男前その後もキーちゃん、キーちゃんってゴーレム愛が拗れちゃっているよ。

前世で車が好きすぎて車庫代の方が家賃より高いって人がいたけどそんな感じだろうか?

「うわー、なんだー。」

突然地面が揺れ始めサンドワームが10匹位いっぺんに飛び出す。

いつもと違うのはこのサンドワームが完全に地表に飛び出して跳ね回っていること。

「なんか変。」
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