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第6話 新しい日
しおりを挟む「マヨネは寝ないの?」
「何も情報がなければ自動的に休眠状態になる。」
ベッドの横の床にマヨネは座り込む。
まだ何か情報を取り入れようとして目玉をキョロキョロさせている。
疲れたりしないのだろうか?
マヨネを抱え上げてベッドにのせる。
本当にゴーレムなのかと思ってしまうほど軽い。普通の子供と同じ。
そしてぷよぷよと柔らかい。
人間と何が違うのかわからない。
マヨネは不思議そうに僕の顔を見上げている。
「マヨネ、ここに横になりな。」
と言って寝かせる。
ベッドの上でマヨネは体をゆすっている。
マットレスの反動で揺れるのが面白いのかもしれない。
チャオもマヨネが面白がっているのを優しく見ている。
3人で川の字に並んでベッドに転がっていると家族みたいだ。
「じゃ眠ろうね。」
と言ってマヨネの頭を撫でて目を閉じた。
コージもチャオも眠った。
眠ると言うのは私の休眠状態(省魔力消費活動状態)とは違うのだろうか?
コージは目を閉じて片方の手を私の胸の上においている。
私の形状は幼児形態なので女性型ではあるが成熟体の様に胸は膨らんでいない。
なのでコージにあらぬ誤解がかかる心配はない。
私は子供の体温を設定されているので大人よりもやや体温は高いはず。
それでも私に触れるコージの手はなぜか温かく感じる。
意味はわからないが片方にコージの手をもう一方でチャオの手を握ってみる。
私の中の新しい情報やコントロールするシステムがなぜか安定して行くような気がした。
目を覚ますとマヨネがぱっちりと目を見開いて僕を見ていた。
「コージおきた。どこか行こう。何かしよう。何か見に行こう。」
好奇心がいっぱいでじっとしていられないんだな。
チャオがマヨネを着替えさせている間に僕も顔を洗ったりして出掛ける準備をする。
また、ダンジョンに行くんだけどね。
チャオがマヨネを連れて部屋から出て来る。
「まずは朝ごはんだよ。」
うんうんとうなずいてついてくる。
猫耳しっぽ亭の食堂で朝食をとる。
目玉焼きとベーコンとポテトサラダ、そして皮は硬いけど中がふわふわの丸いパン。
結構美味しい。
チャオがマヨネにフォークを持たせて食べ方を教えている。
以外と覚えは良くてはちゃめちゃなことにはならない。
マッテオさん達も部屋から出て来た。
「チャオお母さんみたいだな。」
「お姉さん、お姉さんだからね。変なこと教えないで、すぐに覚えちゃうから。」
「いい、マヨネ、お姉さんよ。」
マヨネがチャオの方を見て
「チャオお姉さん。」
と繰り返している。
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