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第13話覚醒1
しおりを挟む「なんだったんだろうね。」
ナイクが不思議そうにしている。プミタスグリ イセム (空族園博物展示室)を出て寮の遊戯室にいるのでもう怖くはないみたいだ。
時間は夜9時ごろ。
もう子供にとっては充分遅い時刻。
「あれが妖精だったのかな?小さな光の粒が羽虫のように飛び回っていたみたいだし。」
エルテが言う。
「あの瓶ってハチミツの瓶だったよ。甘い匂いがしていたよ。」
「ウェル、ハチミツ食べた事あるの?」
「帝国に行った姉ちゃんにお土産でもらった事があるよ。」
島ではハチミツの生産はしていないし高価だからなかなか手に入らない。
「じゃあ、ハチミツを食べに来た虫なのかもしれないね。」
「でも、どうしてプミルが作動したんだろう?」
「あんた達、いつまで騒いでいるの。もう部屋に戻りなさい。」
通りがかりの教師が声をかけて行く。
まだあちこちに談笑しているグループがある。
こういうのはプミタスグリでの宿泊生活があっての事。
日頃はこんな時間に友達と遊べないからね。
「じゃ、明日明るい内にまたイセムにいってみようよ。」
そう言って今日はお開きとした。
外は真っ暗。
今日は2つの月が両方とも細い筋の様に欠けているので空中に星がある。
強い光の星の間にも小さな星があって、その星の隙間にも砂粒のようにサラサラと光る星々がある。
あのたくさんの星にもいろいろな人が住んでいるのだろうか?
ギデは部屋の明かりを灯す事もなく窓から空を見上げている。
あ、あれ?
急に目の前が明るくなった。
星々は見えなくなり、小さいけれど明るく光る小さなものがギデの目の前に現れた。
同時にプミルが光る。
ギデは体が浮き上がらない様にプミルを意識してこん窓枠にしがみつく必要があった。
プミルが発熱しているのか首から始まって全身が熱くなる。
「エウ・レスタ(失われた王よ)少し我慢して、すぐに終わるから。」
どこの言葉だろう?
ドルツリア交易語とはちがうけどなぜかわかる。
全身が耐えられないほど熱くなって頭がボーっとして....。
目が覚めた。
眠ってしまったようだ。
だけど夢じゃないみたいだ。
まだ夜明けまではかなり時間がある真っ暗なはずの部屋がほんのりと明るい。
「エウ・レスタ。アブグルラ?」
頭の中に言葉が入ってくる。
「失われた王よ。目覚めましたか?」
そう言われてゼデは目覚めた。
覚醒したって言うところかな?
言葉どおりゼデの深いところにしまわれていた記憶が蘇ってきたんだ。
この妖精の名はラプテス。
ゼデの覚醒のための鍵としてゼデの入っていたカプセルに封じられていた。
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