上 下
53 / 65

第53話 悪魔へルフィグラ

しおりを挟む


「ユリアー。こんなんどーやって倒すのー。」

真っ黒に赤い唐草模様みたいなのが全身にある。

人型をしているけれど牛みたいな角とトカゲみたいな尻尾。

飛べるのかどうかはわからないけれどコウモリみたいな翼もついていて見るからに悪魔って感じ。

「だからメニュー表示の左下にあるチュートリアルを読んどきなさいっていっつも言っているじゃないの。」

やっぱりユリアも転生者なんだ。

普通は鑑定でメニュー表示してもチュートリアルなんかない。

「頭....、あーっと頭使えって言うとあんたってば頭突きしちゃうから頭は使わなくていいから剣を使いなさい。」

ウツミはインベントリからミスリル剣を取り出す。

「それじゃなくて聖属性付与がしてあるやつを使うのよ。あいつらには聖属性しか効かないからね。」

そんなのユリアだって持っているじゃないか。

「じゃあとっておきの奴を出すか。」

ウツミは転生した時からインベントリに入っていた勇者の剣を取り出した。

それにしてもこの悪魔なんで待っているんだろう。

なんか漫画のヒーローが変身している間じっと待っている悪役みたいだ。

それじゃあ、オレも。

「世界に仇なす悪魔めー。勇者の剣で成敗してやろー。」

剣を掲げてポーズをとった。

どうだ、かっこいいだろ

「きゃー。恥ずかしいからやめてー。」

え、なんか変か?

「まーてまーて、おまえそれでこの私を斬るつもりなのか?」

「あら、この悪魔しゃべった。」

「そりゃ、話しぐらいするだろ。悪魔ってのはなー、神と対極する存在って言うぐらいだからおまえ達人族よりずっと高度な知性体なんだから。」

ふーん、そうなんだ。

「あんた、俺たちを殺したり、食べたりするんじゃないの?」

「決めつけはよくない。おまえってば見た目で判断してないか?」

「それはある、だって怖ーいし、気持ち悪いかっこしてるし。」

「おまえ達も一皮剥いたら似たようなもんなんだけどな。んーこれならどーだ。」

へルフィグラはナイスバディのきれいなお姉さんになった。
ただちょっとでかい。

「スケール感がちょっと。」

「面倒くさい奴だな。これでどーだ。」

ちょうどいい大きさになった。

「ナイスです。で憑依したおっさんはどうなるん?」

「あー、もういらないかな。」

このおっさん悪魔の力が使えるって思っていたんだろうな。

へルフィグラがぶれて見えたかと思うと、かなりやつれたアグェスタス公爵が分離して、ぱたりと倒れ込んできた。

「死んだの。」

「ちょっとこいつの生体情報を分けてもらっただけだよ。」

へルフィグラが簡単に言う。

「あんた達、何ぐだぐだやってんのよ。」

ユリアがしびれを切らしたようだ。

「だってこいつ、闘う気が無さそうだし。」

「だったらなんで出て来たのよ。」

「この男が私の器を壊したからだけど......?私はヴローグズの奴にあの玉に封じられたのよ。」

だんだんと声も話し方もお姉さんっぽくなって来た。姿かたちって関係するんだろうか。

「グローヴズ卿にはなんで封じられたの?」

「あいつったらひどいの、プリンに惹かれてあいつの城の冷蔵庫を漁っていたら、『珍しいのがいる。』っていきなり封じられたのよ。」

あんたはネズミか?











しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが…… アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。 そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。  実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。  剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。  アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。

ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばして大バズりしてしまう~今まで住んでいた自宅は、最強種が住む規格外ダンジョンでした~

むらくも航
ファンタジー
Fランク探索者の『彦根ホシ』は、幼馴染のダンジョン配信に助っ人として参加する。 配信は順調に進むが、二人はトラップによって誰も討伐したことのないSランク魔物がいる階層へ飛ばされてしまう。 誰もが生還を諦めたその時、Fランク探索者のはずのホシが立ち上がり、撮れ高を気にしながら余裕でSランク魔物をボコボコにしてしまう。 そんなホシは、ぼそっと一言。 「うちのペット達の方が手応えあるかな」 それからホシが配信を始めると、彼の自宅に映る最強の魔物たち・超希少アイテムに世間はひっくり返り、バズりにバズっていく──。 ☆10/25からは、毎日18時に更新予定!

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

なぜか剣聖と呼ばれるようになってしまった見習い魔法使い異世界生活(習作1)

田中寿郎
ファンタジー
よくある異世界転生無双モノ?!と思いきや、呼ばれた主人公にはチートな能力一切なし?!呼んだ魔道師が悪かった。癖のない平凡な魂を平凡な肉体に入れる事しかできなかったと言うから仕方がない。 しかしそれじゃぁ可愛そうと、その魔道師がくれたのが「なんでも斬れる剣」だった。 それを振り回していた主人公、いつのまにか剣聖と呼ばれるように・・・? いや、道具の力であって剣は素人の見習い魔法使いなんですが?! ※カクヨムにも掲載されております。 ※以前書いた作品(処女作)のリバイバル投稿です。

異世界転生漫遊記

しょう
ファンタジー
ブラック企業で働いていた主人公は 体を壊し亡くなってしまった。 それを哀れんだ神の手によって 主人公は異世界に転生することに 前世の失敗を繰り返さないように 今度は自由に楽しく生きていこうと 決める 主人公が転生した世界は 魔物が闊歩する世界! それを知った主人公は幼い頃から 努力し続け、剣と魔法を習得する! 初めての作品です! よろしくお願いします! 感想よろしくお願いします!

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

処理中です...