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第42話 闇の魔法師
しおりを挟む「あれー。大叔父さんが来ちゃったの。」
ユリアがキョロキョロと周囲をうかがう。
「そりゃ来るだろ、ギルドに調査を依頼したのはチェリ達だし。」
ポンっと黒いローブを着た少年が現れる。
「誰?」
「ペトロニウス グローヴズ公爵 、魔法使いよ。チェリは使い魔のネズミ。」
ユリアが話しをしている間にも魔法使いの顔色がどんどん悪くなっていく。
「オレは勇者ユウトの兄弟じゃないぜ。」
「わかってるわ、友達でしょ。私が小さな頃からずっと近くにいるから似たようなもんよ。」
ぜんぜん違うけど。
「ふん、まあいいや。それにしても無茶な調査の仕方をしたな。オレは調査は依頼したが闘えとは言っていないがな。だいたいこんな子供に戦わせて、何してんだよ。」
ペトロニウスはかなり具合が悪そうだ。
「兄ちゃん、顔色悪いぞ。」
ウツミ自身も人の事が言えないぐらい顔色が悪い。
いくらショック耐性のスキルがあるっていっても前世でそんな沢山の死体が積み重なっていて血が流れているなんて場面、映像以外で見ることがないし。
「大叔父さんは血管迷走神経反射って言うのだったっけ、血を見ると具合が悪くなっちゃうのよ。」
この魔法使いだっておそらく転生者だろうな。
中身は多分オレと同じくらいだろうし。
力はあっても心はまだ少年だからな。
「後は俺が片付けるからユリアはその子供を連れて帰れ。」
「この子のジョブは勇者なのよ。でも弱っちいからレベリングしてたのよ。」
ユリアがウツミを抱え上げてペトロニウスの前に突き出す。
ウツミはくたびれてだらーっとして足をぶらぶらさせている。
「レベリングならダンジョンでやれ。」
「ジョブが勇者でも子供は子供だ、こんな血がいっぱい流れて人が死んでいる所に連れて来るな。」
「おえーっ。」
あー、ペトロニウスがゲロ吐いた。
いい事言った感じなのに残念だ。
周囲では駆けつけた剣聖トゥルムとミュツスが修道服の男達と闘っている。
というかまるで草刈りみたいに撫で斬りにしている。
ペトロニウスとウツミの周りには障壁があってぽっかりと静かな空間ができている。
ウツミとユリアの足元に魔法陣が現れる。
さらにユリアやミュツス達の足元にも魔法陣が現れるとウツミ達は教会跡の建物の外に飛ばされた。
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