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第35話 ウツミ大暴れ

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「こらこら、大の大人がよってたかって......。」

と騎士団長が声をかけようとすると人だかりの真ん中から意表を突く子供の声が。

「よーし、みんな出てきたなー。うははー。子供を侮った報いをまとめて味合わせてやるぞー。」

「はあ?」

と驚く間もなく、ぼこーっ、ドゴーンと打撃音がしたかと思うと筋骨隆々のおっさんや鋭いシャープな体格の兄ちゃんが吹き飛んでくる。

しかも子供は素手で笑いながら大人達と戦っている。

商売道具の武器を壊しちゃかわいそうだからね。

飛び交う魔法や矢をスルスルかわし剣や斧の刃を素手で掴んでかわし、蹴る殴る投げ飛ばす。

ずるいぐらいのレベル差だからね。

「ええー。」

と、騎士団長がどう反応したらいいのか硬直している間に全員のされてしまった。

なんだ?何が起こった?

真ん中で子供がこぶしを振りかざして高笑いしている。

「どーだー。思い知ったかー。あーははは。」

「こら、おまえ何してんだ。」

ウツミは騎士団長に襟首をつままれて猫みたいにぶら下げられた。

「団長、いいんだ。その子を離してやってくれ。バカ共にはいい薬になっただろう。」

ギルド長は笑いながら騎士団長に話しかける。

「最近ウチのやつらは調子にのって依頼を受けもせんと昼間っから酒ばっかり飲んでやがるから懲らしめてもらったのさ。」

確かにここの冒険者は金になる商人の護衛ばっかり受けて割に合わないなどと言って他の仕事を受けない。

仕方なく周辺の魔物の駆除を騎士団が引き受ける事態になっていた。

まあオレも自分の好きな事しかしたくないし、それでもいいのが冒険者だって思っているけどね。

オレはオレを舐めてたやつらをぶちのめしてやっただけさ。

「ぷらんぷらんと騎士団長にぶら下げられたまま偉そうにしてんじゃないわよ。」

....とユリアに言われる。

ユリアも容赦ないよね。

なんなんだ?この子供バカみたいに強いじゃないか。

ギルド長が騎士団長の耳元でぼそぼそとつぶやく。

ははーんっと騎士団長は納得する。
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