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第28話 盗賊狩り2
しおりを挟む森に少し開けた所があり突き当たりには切り立った崖。
崖に洞窟があり扉が付けてある。
ゴブリンの巣によく似ている。
ゴブリンを狩ってその巣を隠れ家にしているのかも知れない。
「主なメンバーが出ていっているので油断し切っているわ。」
テルファお嬢様が探索魔法が使える魔道具で洞窟の中を調べている。
「そんなに複雑な構造じゃないし、盗賊の殆どが中央の広い場所にいるわ。」
「一気にやっちゃう?」
ユリアがワクワクしている。
「囚われている人もいないみたいだからいいんじゃないかな。」
「ところでこのヒモなんだろう。」
「ウツミ、それ、触っちゃダメ。」
カランカランとか鳴っている。
あーっ。これは鳴子みたいなもんか。
バサバサと矢が飛んでくるのをミュツスが剣で弾く。
洞窟についた扉が開いて盗賊達がドタドタと出て来る。
「なんだお前ら。ってグルビどうして1人で帰って来た。」
おでこに魔道具を貼り付けられていた盗賊の男が目的を終えたせいなのかパタリと倒れる。
「え?グルビどうした。お前らグルビになにをした。」
「おい、盗賊、お前ら皆んな成敗してやるよ。」
ユリアが言う。
「女子供が何を言ってやがる。少ししつけてやる。」
と言って盗賊の男がユリアに掴みかかろうとするが逆にユリアに腕を掴まれて投げ飛ばされてしまう。
投げ飛ばされた男の頭は岩に当たって潰れてしまう。
一緒に扉から出てきた他の男達は既にミュツスに斬られてしまった。
ミリとメリが開いた扉の中に飛び込んで行く。
ミュツスがウツミを抱えて続く。
「ウツミ、何ぼんやりしているのよ。」
「魔法で1発ドーンかと思ったんだ。」
「そんな事したらあいつらが集めているかもしれないお宝もなくなっちゃうじゃない。」
ミリが言う。
洞窟内の広間のような所に飛び込むと盗賊達はなんの祝いなのかはわからないけど酒を飲んで盛り上がっていた。
どうやらウツミ達を襲ったのとは違うグループで
略奪に成功してかなりいい稼ぎになったようだ。
彼らが取り囲んでいる輪の中には、集めた貴金属の装飾品や金貨、宝石などが積まれている。
また、殺されてしまった商人の男女が数人倒れている。
いたぶられ、辱められた形跡が見られる。
ユリアは黙ったまま盗賊達に斬りかかる。
ミリもメリもミュツスも同じく怒りを静かに燃やしながら盗賊達を斬る。
「た、た、助けて。」
盗賊の何人かが血まみれになって命乞いをしてくる。
「あんた達は助けてって言われて助けたことあるのかしら?」
ミュツスは命乞いする盗賊を容赦なく斬ってしまう。
あの殺された商人達の様子を見たら許せないんだろうな。
などと思っていると50人近くいた盗賊はみんな片付けられてしまった。
「あ、あれ?オレなにもしてないよ。」
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