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第18話 ゴブリン2

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草原に溢れているゴブリンがあらかた狩られ領兵達は山の麓を取り囲むようになる。

「これからが本番よ。たくさんの洞窟の中でゴブリンが待ち構えているわよ。」

ミュツスの言うように表に出ているゴブリン達の様に一筋縄ではいかない。

山の内外に掘り巡らされたトンネルを利用してトラップを仕掛けて来るし、思いもよらないところから襲って来る。

「これ山ごと吹っ飛ばした方が早いんじゃないかな。

ユリアが呟く。

多分それが正解なんだけれどもね。

領兵や冒険者も疲れて来ているし。

とはいえここで手を緩めると反撃を受ける可能性があるし、トンネルの中には攫われた村民がいる可能性がある。

カーンとミュツスが矢を弾く。

「ぼんやりしているから狙われたじゃないの。」

「ゴブリンも弓を使うんだ。」

「何言ってんのよ弓だけじゃ無くて魔法を使うゴブリンだっているのよ。」

「それに不自然な茂みや地面の盛り土には注意するのよ。トンネルの出入り口になっていて思わぬところで挟撃されてしまうこともあるのよ。」

そういう穴は冒険者が見つけては中を火魔法でこんがり炙ってから埋めている。

山の麓に10程あったトンネルの出入り口は領兵が見張り、1つの洞窟から中に入る。

「くっさー。」

ウツミが鼻をつまむ。

「ゴブリンは体を洗う習慣がないのかしら。」

「そういうことじゃ無くてゴブリン特有の体臭なんじゃないの?彼らからすると人間は美味しそうな匂いがしているのかも。」

ぽこんと床が抜けた。
ミュツスに襟首を捕まえられて宙ぶらりんになる。

「トラップがあるって言ったばかりじゃないの。」

落とし穴の底には剣山の様に先を尖らせた杭が立っている。
落ちたら串刺し、危ないね。

「油断しすぎよ。」

その後、横穴から飛び出して来たり、オレ達が通り過ぎるのをやり過ごして挟撃するなどいろいろとトラップのサービスがあった。

多分最奥になる大きな空洞に出た。

沢山の骨や衣服が散らばっている。

攫われた家畜や村民達は既に食べられて骨になってしまっていた。

以外な事にゴブリンにメスがいた。

沢山のゴブリンの子供も。

そして、まるでそれを守るかの様に立ちはだかるでっかいゴブリン?

ゴブリンだよねーあれ。









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