39 / 39
第39話 千年王国
しおりを挟む「また、なんでややこしい所に出て来ているのかな?魔王は。」
闇の大魔法師ペトロニウス グローヴズは言う。
「おまえがいると言う事をでっち上げてその討伐のフリをして侵略しようって企みなのに本当にいてどうすんだよ。」
「バーベキューしていただけだよ。」
あの後ダリオスの街は大量のネズミの群れに襲われた。
帝国軍は壊滅した。
同時期に帝国の帝宮も同じように大量のネズミに覆われて皇帝とその一族は滅亡した。
市井の人々は勇者がした事だと誤解しているが、それはペトロニウスがそのように風評操作をしているのだ。
この事で人族はかなり慎重になった。
そしてドルツリア大陸では魔族を含む亜人族を見かける事がなくなった。
「鎖国したの?」
「鎖国ってことでもないんだ。」
「ただ一部の人以外の人族が獣人族やエルフなどの里や魔国に入れなくなっただけ。」
殆どの人族は戦うことをやめることができないし、異質なものを受け入れる事が出来ない。
無理な事を無理にする事はない。
それぞれが接触しない様に別に暮らせばいいんだよ。
多分それでも今度は人族同士で区別や差別をはじめたり、戦いを始めるのだろう。
善悪ではなくそれが人族の性質なんだから仕方がない。
危ないものには近づかないよ。
別にダンジョンの魔物や森の魔獣などがいなくなるわけではない。
一応ゲームとしては成立するせいなのか世界の理とやらに矯正される事はなかった。
「魔王様ーっ、起きてー。」
あれから1000年たった。
小さい。
おかしいな。
みんなでかなりの魔核の欠片を集めては吸収したんだけど。
いろいろなスキルは解放されてかなり強くなった。
だけど体は人間で言えば6歳ぐらいのぷよぷよの男の子って感じは全然変わらない。
「2万年以上生きていて20歳ぐらいの大きさだから1000年ぐらいじゃ変わらないのかも。」
本体がスライムで今は人化して水色の髪のスーが言う。
「でもー。ちっちゃい方が好き。かわいいし。えへへー。」
緑色の髪をしてちっちゃな角があるオーガのガーが笑う。
そう言いながら2人は魔王のパジャマを脱がして着替えさせている。
本当は自分で出来るんだけど部下達からするとそれは部下の存在意義をかけて許されないらしい。
「コッチの服のほうが絶対かわいいってー。」
「えー。あたしは今日はこれを着せたいんだけどなー。」
「髪はこんな感じかな?」
「さすがにリボンはダメよね。」
「まだちっちゃいからいいんじゃない?」
この子ら役割とか言ってオレで遊んでないか?
「朝食の用意が出来たわよー。あら、かわいいー。」
黒髪のサキュバスのキューが部屋に入るなりオレを抱き上げて言う。
これって1000年ぐらい何にも変わってないんじゃないか?
うーむ。
人族と関係を絶って1000年平穏な日々だった。
エリアは人族なのに歳をとらない、勇者のスキルなんだろうか?
おかげで人族は侵略や戦争が出来ない。
何年かは魔国にいたけれど人族側にいないとダメみたいって、大聖女エリミリアの聖堂に居候している。
シャデリーヌはエドワンクと結婚して王妃になった。
孫の代までは時々遊びにきていたんだけどその内疎遠になってしまった。
人族で魔国を訪れるものがいなくなって久しい。
人族の世界では魔族や亜人族は伝説や物語の中にしかいなくなった。
でもね、本当はオレ達は人化してこっそりと人族の世界に遊びに行っているんだ。
「こらーっ、マヨル。こっちに来るんなら角ぐらい隠せよ。ほら、帽子を貸してやる。エリアは先に行って行列に並んでるってよ。」
ペトロニウスが手招きしている。
今日は最近評判になっているスイーツのお店に行くんだ。
こういうのってやっぱり人族が上手だよね。
また2万年ぐらい経ったら物語りが動き出すかもしれないね。
じゃ。
0
お気に入りに追加
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
S級騎士の俺が精鋭部隊の隊長に任命されたが、部下がみんな年上のS級女騎士だった
ミズノみすぎ
ファンタジー
「黒騎士ゼクード・フォルス。君を竜狩り精鋭部隊【ドラゴンキラー隊】の隊長に任命する」
15歳の春。
念願のS級騎士になった俺は、いきなり国王様からそんな命令を下された。
「隊長とか面倒くさいんですけど」
S級騎士はモテるって聞いたからなったけど、隊長とかそんな重いポジションは……
「部下は美女揃いだぞ?」
「やらせていただきます!」
こうして俺は仕方なく隊長となった。
渡された部隊名簿を見ると隊員は俺を含めた女騎士3人の計4人構成となっていた。
女騎士二人は17歳。
もう一人の女騎士は19歳(俺の担任の先生)。
「あの……みんな年上なんですが」
「だが美人揃いだぞ?」
「がんばります!」
とは言ったものの。
俺のような若輩者の部下にされて、彼女たちに文句はないのだろうか?
と思っていた翌日の朝。
実家の玄関を部下となる女騎士が叩いてきた!
★のマークがついた話数にはイラストや4コマなどが後書きに記載されています。
※2023年11月25日に書籍が発売!
イラストレーターはiltusa先生です!
※コミカライズも進行中!
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
2回目の人生は異世界で
黒ハット
ファンタジー
増田信也は初めてのデートの待ち合わせ場所に行く途中ペットの子犬を抱いて横断歩道を信号が青で渡っていた時に大型トラックが暴走して来てトラックに跳ね飛ばされて内臓が破裂して即死したはずだが、気が付くとそこは見知らぬ異世界の遺跡の中で、何故かペットの柴犬と異世界に生き返った。2日目の人生は異世界で生きる事になった
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
アーティファクトコレクター -異世界と転生とお宝と-
一星
ファンタジー
至って普通のサラリーマン、松平善は車に跳ねられ死んでしまう。気が付くとそこはダンジョンの中。しかも体は子供になっている!? スキル? ステータス? なんだそれ。ゲームの様な仕組みがある異世界で生き返ったは良いが、こんな状況むごいよ神様。
ダンジョン攻略をしたり、ゴブリンたちを支配したり、戦争に参加したり、鳩を愛でたりする物語です。
基本ゆったり進行で話が進みます。
四章後半ごろから主人公無双が多くなり、その後は人間では最強になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる