千年王国 魔王再臨

yahimoti

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第38話 ダリオス城塞の攻防

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そんな重い話しじゃないんだよ。

亜人族が虐められたり攫われない様に匿うって言うだけ。

亜人族達の里に人族が来れないようにするぐらい。

外に出たい者を閉じ込めるつもりはない。

ごく限られた人族以外は里にも魔国にも入れないけどね。

魔国が鎖国状態になった。
勇者は魔国にいる。

この情報が出て一部の奴らが都合のいい方に勘違いした様だ。

前王や多くの王族を失い、また多くの貴族が粛正されて弱体化したと思われるカルナガリア王国 にあるダリオスは歴史の古い鉱山。

元は勇者が太古の巨龍と戦った時に使った戦略級魔法が陥没させた穴だ。

ミスリル鉱が採れた事でその穴をすり鉢状に掘り広げたのだ。

この世界ではミスリル鉱は金以上に価値のある希少金属だ。

鉱山を取り囲む様に街が出来ている。

そしてこれらを他国の侵略から守るために城塞がある。

ここにコスタドガル帝国が進軍した。

帝国は元々他国に侵略することで立国した国だ。

本国には資源となるものが殆どない。
鉱山も、特産物もなく農民と兵士しかいないと言っていい。
農民やかつての侵略によって属国となった国にも軍備のために重税を課している。

帝国はダリオスを手に入れる絶好のチャンスだと判断した様だ。

そしてその口実となったのがダリオスに魔王軍が駐留しているというデマだ。

本当にデマなのかは微妙だが。

むしろデマだった方が帝国にとっては良かったかもしれない。


「やっぱりサンドワームのステーキは最高だね。」

エドワンクはようやく魔王一行に加えてもらえてご機嫌の様子。

「美味しいね。」

シャデリーヌお嬢様がお上品にナイフでお肉を小さく切って食べている。

隣で油とソースで口の周りがベトベトになっている勇者がお肉を頬張っている。

このあたりはサンドワームやスタースコーピオンが獲れるんだね。

エリアがドンっと地面を踏むとサンドワームが地面からニョローっと飛び出して来る。

それをシャデリーヌお嬢様が大剣でスパーっと3枚におろす。

ただの作業だ。

普通の旅人にとっては驚異なんだけれど。

ダリオスからコスタドガル帝国までは大昔に大賢者が並べたって言う結界石がある街道が一本だけだ。

大部隊が進軍するのにはリスクが高い。

「マヨル、ダリオスの街から煙が上がっている。」

風にのって人々の怒声や悲鳴が聞こえてくる。

「お前たち、帝国人だろう?他所の国の領地で何をしている。」

エドワンクが帝国軍の将軍らしき兵士に声をかける。

「やかましい、魔王の討伐は国の境を超えて各国協力すべしと言う協定があるのを知らないのか?」

確かにそういう協定はある。

「だが、どう見ても卿はダリオス市民を攻撃しているように見えるが?」

「こいつらは魔王軍を匿っているに違いないんじゃ。」

それにしても市民に尋問する訳でもなくただ殺戮と掠奪をしているように見えるが?

「おい、やめろ。魔王ならここにいるぞ。」

「?」

「勇者もね。」

「?」

将軍が言葉にならない悲鳴をあげる。

どうやら勇者エリアの事は知っていたようだ。




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