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第29話 エウルチグ通商連合国 1
しおりを挟む本当は魔核の欠片があるっていうエルフの里に行きたいのだけれども、エウルチグ通商連合国のおかしな集団っていうのが気にかかった。
エウルチグ通商連合国はこの世界では珍しく議会制の国家だ。
商工会議所が中心となって議会を運営していると言えば聞こえがいいがその委員のほとんどはコスタドガル帝国の貴族だ。
エウルチグは帝国の貴族に牛耳られているのだ。
考えているうちにうとうとしていたようだ。
「別に僕を呼び出しているわけでもないみたいだよ。」
はっとして目を覚ます。
黒い影が揺らぎながら現れてマヨルの顔を覗き込んでいる。
睫毛が長くて優しい表情をしている。
幼いが転生する前の自分の母を思わせる。
「フェレス?何故ここに?」
「私の大好物がたくさんあるからよ。」
「えーっ、食べられちゃうの?」
「あんたじゃないわ。ギェダ・グズムンドソン教団っていう宗教団体が邪神復活のために生贄を集めているの。」
「フェレスが食べるの?」
「私が食べるのは教団の方。存分に歪んで穢れた魂。」
どうしてここに来たんだろう?
周りでは勇者も獣人族もいるのだけれどもまるで時間が止まったように動かない。
「あんたはまだ穢れてはいないみたいね。」
ふふふっと笑ってすっと消えた。
フェレスは何万年かの間に何回か会っている。
悪魔だとか神だとかその現れる時によって呼ばれ方が違う。
目的は魔王核の欠片なんだけど、とりあえずエウルチグ通商連合国に行くことにした。
で、やっぱりついてくるんだ。
エリアは馬車の中でマヨルを抱えて居眠りをしている。
ジャッドはエリアにもたれて寝ている。
あーっ、エリアのよだれがマヨルの頭にー。
でも、ギリギリのところでちゅーって吸い上がる。
スーとガーがハラハラしている。
キューはエリアの横で笑っている。
「もうじき宿のある街に着くわよ。」
馭者の横に乗っていたメイラがみんなに声をかける。
あーエリアのよだれがー。
住んでのところでキューがハンカチで受ける。
危なかった。
初めから頭の上にハンカチを置いておけば良かったのだ。
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