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第27話 獣人族の里1
しおりを挟むなんでもエウルチグ通商連合国でおかしな集団があって儀式のためとか言って一部の貴族が中心になって人攫いをしている。
「魔王復活のための儀式らしい。」
「はぁ?」
もう復活しているし?
「スー、魔王核の欠片を集めて何か儀式をしたらもう1人魔王が出来上がるの?」
「それはないわ。中心核は一つしかないから。」
「儀式は?」
「中心核に他の欠片をくっつけるだけよ。」
じゃあ何のために子供を集めているんだ?
そんなことをされていたら魔王の悪評が広がるばっかりでそのうち首チョンパされてしまう。
マヨルは憂鬱な顔をしているがみんなは意外にも普通。
エリアは「そんなのみんなやっつけちゃえばいいよ。」とかお気軽な事を言っている。
お願いだからオレをやっつけるのはやめてね。
「獣人族の里といえばうどんだよね。」
ジャッドが言う。
「この辺はいい小麦が取れるし、特に水がいいんですよ。」
里長もそうのってくる。
よほど自慢の名物なんだ。
この地には昔勇者が来てうどんの製法を伝えた。
その時に勇者が堀った泉の水がうどんを作ったり、出汁をとるのにいい水だそうだ。
「なんだか催促したみたい。」
エリアはふうふう言いながらうどんを食べている。
その日の夜半里長に用意された宿舎で寝ていると甲高い里人の悲鳴が上がった。
宿舎を出て声の方に向かう。
あれは人族の正規兵の武装じゃないか?
エウルチグ通商連合国の紋章まで入っているし。
走っている兵士の1人を捕まえて強制的に話しをきく。
獣人族の反乱の制圧と言うのが今回の掠奪の口実になっている。
人族は何かと言うと魔物や魔族、あるいは彼らが亜人と呼ぶ異種族を悪いものの様に仕立てて掠奪や侵略をする。
多分この世界のシステムの根底が魔物を倒してレベルアップすると言うゲームだからなのだろう。
だけどそれを必要とするのはプレイヤーだけでNPCなどには関係ないはずなんだけど。
この世界にプレイヤーはいったいどれだけいるんだろう。
オレはプレイヤーなんだろうか?
などと考えている内にと言うかあっという間にエリアがエウルチグ通商連合国軍の兵士を制圧してしまう。
「えー、勇者がいるなんて聞いてないよー。」
兵士の指揮官が言う。
「勇者がすでに召喚されていてその力があるのに侵略や戦争行為をするなんて国家にとって自殺行為だし、ありえない。」
「だけどお前たちはその事をゴブリンや魔王のせいに擬装しているだろう。」
里長は冷たく言う。
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