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第5話 決闘 1
しおりを挟む教室には20人ぐらいの子供がいる。
魔法使いや錬金術師、闘士、斥候、僧侶など、まあ子供だけれど大体ジョブがわかるような格好をしている。
オレは魔法剣士って感じ。
席に着くと何故か両隣りにエリアとジャッドが座る。
「今日は剣の実技があるんだ。楽しみだねー。」
ジョブに関係なく一応剣の練習はするんだ。
「その前に王国史があるけどね。」
ジャッドが机の上によだれを垂れて寝ている。
王国史ってずーっと年表を追って何代目の王様が何してどうしたって話しが延々と続くもんだからどーしても瞼が下がってきちゃうんだ。
休憩時間になったけどジャッドはまだ寝ている。
お昼ごはんを食べに行くのに放っておくわけにもいかないのでジャッドの肩に手をかけてゆする。
「なんだ、魔族が教室で女の子2人とイチャイチャしてんのかよ。」
突っかかって来る奴がいる。
女の子はエリアだけでジャッドは男の子じゃないのか?
ひょこっとジャッドが起き上がる。
「マヨルー、一緒に食堂に行こうぜー。」
「ジャッドー。よだれを垂れてるわよー。女の子なんだから少しは気にしないと。」
エリアがジャッドの口の周りをハンカチで拭いている。
「ジャッド、女の子だったのー。」
「なんだー、何、失礼なこと言ってんだー。えへへー。そうだよー。いいよー。オレ、わかりにくいもんな。」
「魔族がつけあがってんじゃねーぞ。午後からの剣の授業で思い知らせてやるからなー。」
金髪の体格のいい男の子が勝手に盛り上がっている。
「あれはこの国の第32王子だよ。」
「確かエドワンクって言ったかな?」
エリアが言う。
継承権ひっく。子供多すぎじゃね?
さすがに王都の学校の食堂だ。
大きな長テーブルに料理がこれでもかって言うぐらいいろんな種類が大量に並べてある。
何列もあるテーブルにはカトラリーがズラーっとセットされている。
大皿にいろいろな料理を好きなようにのせて席に着こうとする。
「おい、魔族はあっちに行け、ここは人間の貴族様の席だ。」
「なんだー、学校じゃ皆んな平等じゃねーのかー。」
ジャッドがくってかかる。
「ジャッド、お嬢様には関係のない話しさ、俺はそっちの魔族がのこのこ学校なんかに来ているのが気に食わないんだ。」
マヨルはエドワンクに取り合わないで場を離れようとする。
「なんだ魔族、庇ってくれたお嬢様を放っておいて黙って逃げるのか?」
「これでも黙っていられるのか。」
そう言ってエドワンクが生卵をジャッドに投げつけた。
ジャッドは剣士だ飛んできた卵を難なくかわすが魔法で隠蔽された2つ目がジャッドの額にぶつかる。
一つ目はフェイントだった。
ジャッドが涙目になって体を震わせている。
学校では平等とはいっても相手は王家だ。
ジャッドは下手に抵抗して実家の侯爵家に何かあってはと、ためらいがある。
それが余計に悔しい。
エリアが怒りのあまり飛び出そうとするけどマヨルが抑えている。
「エリア、お前も勇者なら魔族を討伐したらどうなんだ?魔王もいないのに勇者なんか何の役に立つんだ。」
うははーと高笑いするエドワンクの顔にペシャリと雑巾がぶつけられる。
「なんだ、何をする。無礼者め、手打ちにするぞ。」
「決闘だよ、エドワンク。お前に決闘を申し込むよ。」
マヨルが言う。
「普通は手袋をなげつけるもんだろう。」
「手袋がなかったんだ。」
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