千年王国 魔王再臨

yahimoti

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第3話 学校に行く?2

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あれから3日オレは自分の部屋に閉じこもっている。

スーもガーもキューも肩紐の切れたカバンを抱えて帰って来たオレを何も言わずに抱きしめて頭を撫でた。

なんだかオレは自分が情けなかったのだ。

もっと大きくて強ければ。

「たぶん強さは昔の魔王様ほどじゃないけどそこそこ強いと思う。」

スーが言う。

「大きさはー。」

「魔王様2万年かけてあの姿に成長したんだからすぐに大きくはならないんじゃないかな?」

ガーがマヨルを抱えてダイニングの椅子に座らせる。

朝食を終えるとキューが肩紐を直したカバンを持って来る。

「魔王様、学校行かないの?」

マヨルが黙っているとスーが話し始める。

「学校に行くのは子供の権利。権利を自分で放棄することまでは法律は禁じていないのよ。」

「だから魔王様がいきたくなければ行かなくてもいいの。」

「子供に教育を受けさせるのは保護者の私達の義務なのよ。」

「とは言っても魔王様中身は2万年を生きた魔族。本当は教育なんてちゃんちゃらおかしいわよね。」

だけど魔王だって事を隠さないと今のままじゃたちまち殺されてしまう。

マヨルは黙ったままカバンを肩に掛ける。

部屋のドアを開けると勇者エリアと剣士ジャッドが立っている。

な、ななななんで勇者が待ち伏せしている。

慌ててドアを閉めると2人がドアを叩く。

「マヨルー、すまん。俺がやりすぎたー。悪気はなかったんだー。許してくれー。」

「ジャッドもこう言っているんだからー。いいだろう。学校行こー。」

なんだ?魔王ってばれたわけじゃないんか?

オレはビクビクしながらも2人の後から歩いてついて行く。

なんだかオレだけ一回り体が小さい、2人がお姉ちゃんみたいだ。

「この間はごめんなー。」

そう言ってジャッドは肩を組んで来る。

恐ろしく人懐っこい。

「おまえさー。いいなー。きれいなおねーちゃんが4人もいてー。」

「4人?」

ああ、聖女も混ざっているのか。

いずれも1000年以上は生きた怪物達だけど。

コーンっと頭にスプーンが当たった。

振り向くと教会の2階の窓からティーカップを持った聖女エリミリアがこっちを見ていた。

なんでわかったんだろう。

学校の門をくぐると校庭には、たくさんの子供達がいる。

学校は10歳から15歳まで。

その後は魔法や錬金術、商人や騎士など専門的な学校に分かれて行く。

この世界は早熟で過酷だ。

たちまち一人前として社会に放り出される。

いつまでも非生産的なままでいることを許してはくれない。


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