Lv.1の少女勇者とショタ賢者の異世界冒険記

第63話 魔神様達

「待ってー。待って。聖剣で叩かないで。」

魔神タトが頭を庇いながら叫ぶ。

「えーっ、じゃあなんで出て来たの。」

サーフラがパエリを抑えながら言う。

「アップデートと言ってもこの世界が変わる訳じゃないし、場つなぎの僕らとしてはもう君達と戦う意味はないんだ。」

「それならなおさらなんで？」

ムールが言う。

魔神タト以外の3柱の「これから組」の魔神も現れた。

「戦わないんだからさ、仲間に入れてもらおうと思ってさ。」

パロが恥ずかしそうに言う。

「それはいいけどそんな大きいままだと食堂に入れないよ。」

そう言うと4柱の魔神達はスルスルと小さくなった。
同時にすでに小さな「やられた組」の3柱も現れた。

「なんなのー。かわいいー。」
ジュネさんが大喜びしている。

見た目完全に小動物だから女子に大人気のようで、めでたしめでたしだ。

さっそくみんな野営用のお屋敷の食堂に入ってもらってカレーライスの続きを食べる。

7柱の魔神様達もご機嫌のご様子だ。

魔神様達ってカレーライスに釣られて出て来たんじゃないかな？

ところで魔神って一体なんだったの？

「魔神って言うのは精霊が万年単位で力を蓄えて変化したものだよ。」

「魔神様達の討伐も無くなったし、これから何をしようか？」

ムールがみんなに問いかけるけど返事はない。

そりゃそうだ、誰も彼もが目標を持って日々の生活をしているわけでもないからね。

元々この世界での目標も使命もないんだから単純にゲームのストーリーをなぞって楽しんだらいいんじゃないかな？

とすると次は海賊退治かな？

ホビエの港街か？

確かあそこはカニが名物だったような。