21 / 63
第21話 キツネうどん
しおりを挟む「あいつら寝たみたいだな。」
姉弟だろうか少女と幼児の2人で旅をしているんだろうか?
どんな容量のマジックバッグを持っているのか、それだけでもひと財産になるってもんだ。
こちとら一応冒険者のなりをしているが本業はベテランの盗賊だ、これを見逃すてはない。
仲間達5人で屋敷に踏み込もうと近づいた。
バチっと目の前が光った。
全身が麻痺して動けなくなった。
同時に意識が失われた。
「おい、おきろ。」
仲間の声に目を覚ますとお天道様が中天にさしかかって既にお昼近い。
共用の野営地にはもう誰もいない。
あの屋敷の周囲には強力な結界が張ってあって俺達はそこに突撃したってことか?
俺達は屋敷があったはずの場所で仰向けに倒れて夜明けを迎えたってわけだ。
屋敷の主は俺達に気がつきもしなかったて事?
俺達って雑魚なの?
簡易結界の張ってある野営地でなければ俺達は今頃魔獣のご飯になっていただろう。
俺達はなんだか急にやる気が失せたので隠れ拠点に帰って一杯やることにした。
「なんか昨日の夜騒がしくなかった?」
パエリに呼びかけるけど返事がない。
パエリは俺の背中に乗って居眠りをしている。
だいぶ空を飛ぶことに慣れたみたいだね。
って言うか慣れ過ぎ。
よだれを頭の上に落とさないでよ。
大森林と大草原の境界近くの集落にさしかかった。
「なんかいい匂いがする。」
パエリがくんくん鼻を動かす。
食べ物の匂いで目が覚めたの?
「鰹出汁かな?昆布っぽい匂いも。」
「お店があるよ。」
降りて見ると丼に箸のマーク。
うどん屋さんだ。
イヤーっ。
きゃー。
はなせー。
ぎゅー。
「ムール、あんた女の子に飛びかかっちゃダメじゃないの。」
ひっかかれたうえに投げ飛ばされた。
パエリが受け止めてくれたけれど。
「だってふわふわの耳としっぽが生えているんだよ。しょうがないじゃん。」
「しょうがなくない。」
ここって獣人族の里だったみたい。
オレをぶっ飛ばしたうどん屋さんの娘はとってもキュートでプリティな猫獣人族だった。
ついしっぽを掴んでしまった。
その時の彼女の身のこなしっていったら猫特有のなめらかでしなやかで素早くて美しくって。
「ぶっ飛ばされて、なにうっとりしているのよ。ヘンタイなの?」
パエリが呆れている。
さて、気を取り直して顔の引っ掻き傷はヒールで治してっと。
「キツネうどんちょうだい。」
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

錬金術師が不遇なのってお前らだけの常識じゃん。
いいたか
ファンタジー
小説家になろうにて130万PVを達成!
この世界『アレスディア』には天職と呼ばれる物がある。
戦闘に秀でていて他を寄せ付けない程の力を持つ剣士や戦士などの戦闘系の天職や、鑑定士や聖女など様々な助けを担ってくれる補助系の天職、様々な天職の中にはこの『アストレア王国』をはじめ、いくつもの国では不遇とされ虐げられてきた鍛冶師や錬金術師などと言った生産系天職がある。
これは、そんな『アストレア王国』で不遇な天職を賜ってしまった違う世界『地球』の前世の記憶を蘇らせてしまった一人の少年の物語である。
彼の行く先は天国か?それとも...?
誤字報告は訂正後削除させていただきます。ありがとうございます。
小説家になろう、カクヨム、アルファポリスで連載中!
現在アルファポリス版は5話まで改稿中です。

異世界でネットショッピングをして商いをしました。
ss
ファンタジー
異世界に飛ばされた主人公、アキラが使えたスキルは「ネットショッピング」だった。
それは、地球の物を買えるというスキルだった。アキラはこれを駆使して異世界で荒稼ぎする。
これはそんなアキラの爽快で時には苦難ありの異世界生活の一端である。(ハーレムはないよ)
よければお気に入り、感想よろしくお願いしますm(_ _)m
hotランキング23位(18日11時時点)
本当にありがとうございます
誤字指摘などありがとうございます!スキルの「作者の権限」で直していこうと思いますが、発動条件がたくさんあるので直すのに時間がかかりますので気長にお待ちください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる