8 / 63
第8話 ゴブリンネスト
しおりを挟むゴブリンって言ったら緑色で小鬼みたいで人間っぽくてキーキー言って臭ーい奴。
そんでー。
人里に来てー。
女の人さらって繁殖に使う?
なんか途中で盗賊かなんか混ざってないか?
確かゴブリンは異種交配が出来なかったような?
ゴブリンにも家族はいるし。
とはいえだからといって討伐して可哀想と言うわけではない.
こいつら人間をパクパク食べちゃうからね。
パエリのレベルアップの為に狩まくりだー。
村人からこの辺にゴブリンの巣があるって聞いて都合がいいと思ってやって来たんだけど。
「私ゴブリン嫌い、可愛くないし、臭いし。」
パエリがぐずぐず言っている。
どうせ狩るのはオレで何にもしないくせに、ってオレはいったいなんなんだろうか?
「お腹空いたー。」
「さっき食べたじゃないか。」
「育ち盛りなのー。」
仕方なくインベントリからパンを出す。
「またこれー。」
とか文句を言うのでいちごジャムを出してやるとおとなしく食べはじめた。
森の奥に小高い山があってふもとに洞窟がある。
入口には見張りのゴブリン?
人間じゃないか?
顔を緑色に塗っている。
盗賊がゴブリンの振りをしているってこと?
足元の石っころを魔力で加速してぶつけてやると2人の見張りのお腹に大きな穴が空いて倒れた。
ちょっと加減に失敗したけど盗賊だからいいか。
洞窟の中は松明があって明るい。
「臭ーい。」
パエリが文句を言う。
別に外で待っていてもよかったのにヤダって言ってついて来てそれか。
「静かに。」って言うけど手遅れか。
洞窟の奥の扉からわらわらと盗賊達が出て来る。
「なんだ子供と女がわざわざ自分で来たのか?」
ニヤニヤ笑っている。
まあ、盗賊でも経験値の足しにはなるかな。
鉄の剣をインベントリから出して手に持つ。
子供と侮って盗賊達がぎゃはぎゃはと笑う。
「子供がそんなもん出してどうするってんだ。」
そう言っている間にムールが剣を薙ぐとずらりと並んだ盗賊達の首がポロポロと落ちた。
ムールはもう関心がなくなったかのように盗賊に目もくれずに洞窟の奥の扉に踏み込んでいく。
「あーっ、首、首、首がー。ムール、これどうすんのよ。」
パエリが騒いでいる。
人の首が切られたのにこの程度の反応ってことはショック耐性のスキルが効いてんだな。
扉を開くとたくさんのゴブリンの死体と拐われて来られた女の人が縄で縛られて座らせられている。
カーンと甲高い音がしてムールが吹き飛ぶ。
一瞬パエリが硬直する。
ゴブリンの死体の中から一体起き上がったものがいる。
ゴブリンメイジだ。
捕らえられた女の人に気を取られたムールの隙を狙って攻撃魔法を撃ったのだ。
パエリはショックから立ち直ると剣を鞘走らせて抜き打ちにゴブリンメイジの首を刎ねてムールを抱き上げて揺さぶる。
「うそ、うそ、うそ。ムール死んじゃだめ。」
ぬいぐるみみたいにムールはパエリに振り回される。
「やーめてー。目が回るー。」
「ムール!」
「何泣いてんだよ。あのくらいじゃ死なないよ。」
体が軽いので防御障壁と一緒に吹き飛んだだけだ。
同時に重力操作もすれば良かったんだけど咄嗟には思いつかなかった。
力はあるけれど実際の戦闘経験が足りない。
そこはゲームと違うところだね。
「あ、レベルが上がった。」
パエリが言う。
パエリのメニュー画面を開いてステータスを見るとLv.1のまま。
他のステータスはすでに上級の冒険者並みなのにレベルが上がらない。変だな?
ステータスは変化するけどレベルが上がらないので新しいスキルが解放されない。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
男女比の狂った世界で愛を振りまく
キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。
その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。
直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。
生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。
デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。
本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。
※カクヨムにも掲載中の作品です。
真☆中二病ハーレムブローカー、俺は異世界を駆け巡る
東導 号
ファンタジー
ラノベ作家志望の俺、トオル・ユウキ17歳。ある日、夢の中に謎の金髪の美少年神スパイラルが登場し、俺を強引に神の使徒とした。それどころか俺の顔が不細工で能力が低いと一方的に断言されて、昔のヒーローのように不完全な人体改造までされてしまったのだ。神の使徒となった俺に与えられた使命とは転生先の異世界において神スパイラルの信仰心を上げる事……しかし改造が中途半端な俺は、身体こそ丈夫だが飲み水を出したり、火を起こす生活魔法しか使えない。そんな無理ゲーの最中、俺はゴブリンに襲われている少女に出会う……これが竜神、悪魔、人間、エルフ……様々な種族の嫁を貰い、人間の国、古代魔法帝国の深き迷宮、謎めいた魔界、そして美男美女ばかりなエルフの国と異世界をまたにかけ、駆け巡る冒険の始まりであった。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
俺、貞操逆転世界へイケメン転生
やまいし
ファンタジー
俺はモテなかった…。
勉強や運動は人並み以上に出来るのに…。じゃあ何故かって?――――顔が悪かったからだ。
――そんなのどうしようも無いだろう。そう思ってた。
――しかし俺は、男女比1:30の貞操が逆転した世界にイケメンとなって転生した。
これは、そんな俺が今度こそモテるために頑張る。そんな話。
########
この作品は「小説家になろう様 カクヨム様」にも掲載しています。
異世界エステ〜チートスキル『エステ』で美少女たちをマッサージしていたら、いつの間にか裏社会をも支配する異世界の帝王になっていた件〜
福寿草真@植物使いコミカライズ連載中!
ファンタジー
【Sランク冒険者を、お姫様を、オイルマッサージでトロトロにして成り上がり!?】
何の取り柄もないごく普通のアラサー、安間想介はある日唐突に異世界転移をしてしまう。
魔物や魔法が存在するありふれたファンタジー世界で想介が神様からもらったチートスキルは最強の戦闘系スキル……ではなく、『エステ』スキルという前代未聞の力で!?
これはごく普通の男がエステ店を開き、オイルマッサージで沢山の異世界女性をトロトロにしながら、瞬く間に成り上がっていく物語。
スキル『エステ』は成長すると、マッサージを行うだけで体力回復、病気の治療、バフが発生するなど様々な効果が出てくるチートスキルです。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
明智さんちの旦那さんたちR
明智 颯茄
恋愛
あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。
奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。
ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。
*BL描写あり
毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる