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第88話●マーリン2
しおりを挟む「えー私なんにもしていないわよ。
まあ、その時代にそこに居たってぐらいかしら。」
マーリンが猫をやっているとはね。
「マジタリア魔法国の開祖っていわれているわ。」
3000年もどこに行っていたの?
「え?その辺にいたわよ。」
「魔術狩りの時は?」
ファルコが聞く。
「魔女狩り?誰が?」
「だって魔女狩りでその時の魔法師が全部殺されてしまったっていう伝承になっているわよ。」
「教会の牧師ごときにどうにか出来る魔女じゃないわ。」
当時魔法を封じる魔道具を異端審議官が持ち出して来た。
だから、みんな面白がってその魔道具の解析や再現のために大きな屋敷の床下などに作った研究室にこもったらしい。
だいたい魔法師なんて自分の好奇心だけに忠実で他のことなんかには全く無関心なもんだから一斉に消えてしまったって言う訳だ。
「えーっ。じゃあ私の母は?」
クロウラが言う。
「あんたの母さんなら隣の大陸に珍しい薬草があるって聞いて飛んで行ったわよ。」
娘を置いて?
「そんなの魔女を引き止める理由にはならないわ。わかるでしょ。メルデギド。」
「ひっ。」
なんか見透かされている。
マーリンは猫の姿のまま前足で顔を洗う仕草をした。
偉大な魔法師のはずだけどぜーんぜんそんな感じがしない。
自由すぎる。
「あんたもね。」
クロウラが言う。
「あ、そうだ、これ。」
ギドがインベントリから魔道具を出す。
これ、使徒にはぜーんぜん受けなかったヤツ。
ソッペ・カヤ神教の神官が言っていた魔法を無効にするアーティファクト。
なんの神様かはよくわからないジュスティラスからもらったと言っていた。
「あら、あんたも作って見たの。私もやって見たわ。」
マーリンが言うと。
「あら、私も。」
それぞれが異なるアプローチで魔法制御の魔道具を作っている。
ギドのは魔法を波長と捉えていて別の波長を当てることで打ち消すことをかんがえている。
マーリンは魔素を粒子として捉えて魔法を構成するためには粒子感をつなぐ力があると考えている。
このつなぐ力を打ち消して魔法陣を作る阻害をすればいいのだ。
ファルコは現象は観測される事で存在すると言う考え。
だから誰も見ない、感じないうちはそれは存在しないので誰にも観測できなくして仕舞えばいいのだ。
それぞれが作った魔道具はこの世界では問題なく稼働する。
そしてみんな他の人が作った魔道具やその理論に夢中になってしまっている。
「なんなのその考え、凄いじゃないの、それは思いつかなかったわ。面白いじゃないの。」
マーリンもファルコももうその事に没頭している。
何か話しかけてもぜーんぜん上の空になっている。
魔法師ってそう言う者?
いったい何しに出て来たのか?
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