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第83話●ニルス3

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街の人達にはパッとドラゴンが消えたみたいに見えたんだろうな。

とはいえ居なくなったわけじゃないので魔物達は相変わらず右往左往している。

ギドの魔力でお腹いっぱいになったドラゴンは小さな女の子になった。

質量保存の法則は完全に無視のようだ。

ドラゴンは金龍で名前はアウザーラ。

ワイバーンの群れを追いかけて遊んでいるうちに迷子になったらしい。

金龍に追いかけ回されるなんてワイバーンも災難だったろうな。

龍は普通なら竜人族の里の祠に祀られているはず。

ギドにしがみついてぼーっとしているからとりあえず竜人族の里に連れて行ってみよう。

ルトラウデとピコもアウザーラが可愛いいのか抱っこしたくてうずうずしている。

竜人族の里には一度行っているし、今はアカシックレコード用検索ツール「chantSNU」を使えば問題なし。

たちまち場所を特定して転移魔法が発動できるので大体どこでもすぐに行く事が出来る。

とても便利になった。

と言ってもギドに限り(多分ペトロニウスも)なのでこの世界の常識って言うわけじゃない。

「あら、また来たの?」

竜人族のツノっ子、キナリスが言う。

しかし、なんで竜人族の服って面積が小さいんだろう。

「ギド兄ちゃん、知り合いなの?」

ニルスってば、そんなところを凝視してはいけないよ。

レテが「ふーん。」

と勝手に納得している。

いや、違うよ。
純粋にアウザーラを連れて来ただけだよ。

キナリスは魔法学園の同級生だけど今はテスト休み中なので里帰りしているんだろう。

前回来た時にはドレインスライムを駆除したので里にもなんとなく活気があるような気がする。

「おかげさまでお姉ちゃんの旦那さんめっちゃ元気になって、おめでたなの。」

何がおかげさまなのか微妙だけど。

「んーっ、えー、何?なんでギドが金龍様を?さらったの?」

「うー。」

「迷子になってランツァウ家の領地の一つシモンセンにいたのよ。」

レテがギドの代わりに話す。

レテがキナリスにアウザーラを渡そうとするのだけどアウザーラがギドの頭の毛を掴んで離さない。







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