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第74話●弟子団と魔獣3
しおりを挟む「ザクアスあんた鈍すぎるわ。みんな死んじゃうところだったわ。」
魔法使いのピキウルが言う。
「なんか知らんけどめっちゃ頭いたいの、なんで?」
ザクアスが頭のコブをさすっている。
「ヒールをかけたからそんなに痛くないと思うけど。」
神官のスリスタがザクアスの頭のコブをフーフーしている。
戦士のリーミィはそっぽを向いている。
メイスの腹じゃなくて刃で切ってやればよかった。
バカの脳みそが出てしまって賢くなるかも。
とか怖い事考えている。
「ザクアス本当に魔力を感じたり出来ないのね。」
「おう、俺には剣があるし、魔法はお前たちがいるから全然心配ないぜ。」
なんだかいい奴みたいだ。
ピキウルが顔を赤くして「バカ。」
と言う。
スリスタが頭を抱えている。
「おれでもやばい事はわかったのにかー。」
リーミィが呆れている。
リーミィはオレっ娘なんだ。
「あーっ、でも依頼どうする?グリフォンのしっぽの毛取れないじゃん。」
「それならあそこにいたちっちゃい子が『忘れ物』って言ってくれたわよ。」
「あの子達は何者なの?」
「多分ギルドで言っていたメルデギド弟子団だと思う。」
スリスタが言う。
「でも、今日は弟子団だけじゃなくてマスターのメルデギドもいたんだと思う。」
「マスターも子供だから混ざってしまうと弟子だかなんだか区別がつかないのよ。」
「あっという間に無数の魔法陣に取り囲まれて身じろぎも出来ないぐらいだったわ。」
ピキウルが身慄いする。
「わかってた?魔獣も人化して混ざっていたのよ。」
それでメルデギド弟子団が守っていたのかしら?
「いや、マスターならそうかもしれないけど普通に魔獣の方が弟子団より強いんじゃないかな?」
依頼をこなしていただけの冒険者にとっては災難だった。
「魔獣も人化するとなると狩ったりするのってなんか違うよね。」
だけど欲しい素材は狩りでもして剥ぎ取りでもしなければ手に入らない?
でも人化していて話しができるんだったら理由次第ではもらえたかも?
まあ魔獣にお願いするなんて言う冒険者はいないだろうなー。
「でも、あれって本来は災害なんだから狩るもんじゃないわ。防ぐとか、お願いする対象ね。」
まあ今回は依頼があったし興味もあったし。
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