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第73話● 弟子団と魔獣2

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「アイゼイヤってば拾い食いするからお腹を壊すのよ。」

「えーっとでもねあのキノコとっても綺麗な色をしていて美味しそうだったのー。えーっとアイゼイヤってお腹壊してたの?」

「それじゃなかったらなんで具合が悪くなっていたのよ。」

「アイゼイヤはー。ただー、くたーってなって苦しかったのー。」

この子は自分の事をアイゼイヤって言うんだ。

だいたい鮮やかな綺麗な色のキノコって危ないような気がするんだけどね。

アラウネの子はエイベル、グリフォンの子はアイゼイヤ。

「だからメルデギドに治してもらったんでしょう。」

元々2体はそれぞれ別の場所に住んでいたんだけど魔獣の希少な素材を狙った冒険者がうるさくなって大森林にやって来たそうだ。

まあ確かに貴重だと思う。

でもこの子達、抜けた羽や生え替わった爪とかなら普通にくれちゃう。

狩りたてなくてもそれでいいんじゃないかな?

この子たちなんだか普通に孤児院について来ちゃった。

「すっごく美味しい、このサンドワームについてるソース絶品。シェフ素敵。」

とか言っている。

今までもそうだけれど、この子達がパーシコ 達と一緒にいてくれたらものすごく安全で安心だね。

レテがギドを見て唸っている。

「子供達が災害級の魔獣と一緒にいて安心安全?それってどうなのかしら?」

大丈夫、神様や天使もいるし。

その神様と天使はデザートのプリンの取り合いをしているわよ。


「エイベルー、エイベルー、あいつらこんなところまで来たわ。」

アイゼイヤが言う。

薬草を集めていたパーシコ が顔を上げると大剣を背負った兄ちゃんを先頭に4人の冒険者が近づいて来ていた。

「おーい、ぼうず達、この辺でグリフォンとかアラウネを見なかったか?」

パーシコ 達は笑いころげる。

「あーははは。僕達がそんなのにであったらもう生きてないじゃん。」

「ん?そんなに笑える事か?神級魔獣を舐めてないか?」

パーシコ 達と一緒にエイベルとアイゼイヤもブンブン首を振って答える。

「こんなところまで魔獣を追って来たの?おっちゃん達のパーティだけで?」

「ふん。わかっているじゃないかぼうず。普通なら10ぐらいのパーティでかかってもどうかってところだな。だがな、今なら1体弱っている奴がいるんだよ。」

「ふーん。おっちゃんが毒キノコを食べさせたのか。」

「ちげーよ、あのはらぺこグリフォンが勝手に食ったんだよ。ま、落としたのは俺だけど。まさかあんな毒ってまるわかりのキノコ食べちゃうとは思わなかったぜ。」

「おい、なんか空気が変じゃないか?だいたいお前らA級冒険者に向かって態度悪くないか?子供はもっと素直で可愛くないと。」

にいちゃんの後ろにいる魔法使いのお姉ちゃんと神官さんが青い顔をしている。

戦士のお姉さんは気分が悪いのかしゃがみ込んでいる。

魔法使いのお姉ちゃんが剣士の兄ちゃんの耳元でなんか言っている。

「あんた、黙ってそのまま静かにこの場所を離れるのよ。いい、敵意を出しちゃダメよ。」

だが兄ちゃんはとっても鈍い。

「えーっ。あぁ?なんだ?熊でも出たんか?」

戦士のお姉ちゃんが急に立ち上がると持っていたメイスの腹の部分で剣士の兄ちゃんの頭を叩く。

「えーい、もう、にぶすぎじゃー。」

伸びた兄ちゃんを3人で担ぎ上げて走って去って行った。


「ここまで来れば大丈夫じゃろう。」

戦士のお姉さんが地面に座り込む。
魔法使いと神官もまだ青い顔をしている。

「死ぬかと思った。こいつ鈍すぎるわ。なんだったのよあの魔力量と威圧感。完全に囲まれていたわ。」









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