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第72話●弟子団と魔獣 1

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「パーシコ ぉ、なんかすっごいプレッシャーを感じなーい?」

「ユヴォサもわかるのか?」

今日もいつもと一緒でお昼近くまでギドとリビングでゴロゴロしていたらレテが急にキレて転移魔法でギルドに吹っ飛ばされた。

パーシコ 達も転移魔法が使えるからある程度到着点がコントロールができるので大丈夫だけど壁の間とか石の中とか変なところで実体化したら危ないんだけどな。

天才魔法師レテルティアがそんなへまはしない?

パーシコ 達は仕方なく今回は大森林の浅いところに薬草採集に来た。

最近、野獣や魔物の分布がおかしくなっているらしい。

実際、パーシコ 達が森に入ってからひっきりなしに野獣が飛び出してくるが、どうみても何かに怯えて追われるように出てきたようにしか見えない。

これはその地域の頂点に立つような魔物が増えたのか、いなくなったのかそんな時におきる現象だ。

おかげで収穫は多いけれどなんだか背筋がぞくぞくする。

それは木々の向こう側にいて、存在感は感じていたものの敵意がなかったためにパーシコ 達は唐突に遭遇してしまう。

30mぐらいの距離を残して立ち止まりその強力な魔力に当てられて硬直する。

なんだこれ?
パーシコ は見たものがなんなのか「chantSNU」で検索する。

アラウネ? それとグリフォン?

アラウネは上半身は綺麗なお姉さんで下半身が蜘蛛。
グリフォンは上半身と翼が鷲で下半身がライオン。

神獣レベルが2体?

どーする?

でもグリフォンはうずくまっていて動かないし、アラウネはまるでそれを気遣うようにそばにいてこちらを警戒している。

助けを求めに転移して行っていたレンツィとザヴェロがギドとレテを連れて戻って来た。

「うー。」

「あんた達、大変なものと遭遇しちゃったのね。おとなしく私達を待っていたのは褒めてあげるわ。」

レテが言う。

ギドが無造作にスタスタとグリフォンに近づいていく。

アラウネは警戒している。

なかよしの魔獣っているんだ?

通常は魔獣同士はそのテリトリーが違うので接触することも干渉することもない。

孤高の存在だ。

ギドがヒールをかけるとグリフォンがパッと目を開いて起き上がった。

レテがエリミリア金貨を取り出して魔獣にかざす。

アラウネとグリフォンが人化して女の子になった。

そんな魔法あったっけ?

エリミリア金貨はオリハルコンやソロモンの石を含んだ合金なんだ。今は少ないながら流通はしているけれどどちらかというと魔法のアイテムとして使用されている。

「あーっ。」パーシコ  が声をあげて顔を赤くする。
ユヴォサ は平気なようだ。まだちっちゃいし。

「パーシコ なに照れてんのよ。ちっちゃいくせにませてんだから。」

「だってあの子達すっぽんぽんだよ。」

「バカね、魔獣なんだから当たり前でしょ。」

レンツィとザヴェロがインベントリからギドに買って貰った王宮御用達の仕立て屋さんで作ったピカピカのシルクの平民向けの服(多分ギドは頭が変)を出してアラウネとグリフォンに着せる。







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