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第67話●錬金術1
しおりを挟む「こらこら、なんであんたはギドの膝の上に座っているのよ。あつかましい。ジュのところに行きなさい。」
レテが引き剥がそうとするけどかえってリロイリが意地になってギドにしがみついてしまうので逆効果だ。
ギドというよりギドが食べているプリンが目当てみたいだけれど。
「リロイリ、プリンあげようか?」
レテがプリンのお皿とスプーンを掲げて見せるけど、もうすっかり警戒されてしまっている。
リロイリはギドが持っているプリンが乗ったスプーンをくわえにいっている。
「ギドって錬金術も使うのね。」
剣神のジョブ持ちのラゴシーナが聞く。
錬金、魔術、製薬は魔法の一部なんじゃないかな?
どれかを欠くと思った様な魔法を作るのにとっても遠回りをすることになるから。
「アダマンタイトとかオリハルコンとかって作ることも出来るのかなーって。」
ラゴシーナは剣神だからそれに似合う剣が欲しいところかな?
いくら付与で強化しても地金が強い剣にも同じ様に付与されたら付与した意味もだいなしだからね。
「出来るよ、鍛治も出来るからラゴシーナの剣を見せて。」
この間のお礼にもちょうどいいかな?
「ギドが普通にしゃべった。」
「魔法のことだからしゃべったんじゃないかしら?」
何?何を言われている?
ジュとリロイリは神様だから多分錬金なんか使わなくても最強の剣を作っちゃうんじゃないかな?
神様の使う力は魔法じゃなくて奇跡っていうんだ。
その力は人智を超えていて理論とかを完全に無視して顕現するんだよ。
でも神様達って気まぐれだからね。今は
「ギド、おまえやってみせろよ。」
って顔をして見ている。
錬金術も言って見れば奇跡みたいな物。
ただ人間が落ち入りやすいのが一見わかりやすいと思われる理論とか構造とか。
術である以上技術としての理論体系や法則があるって思い込んじゃうんだ。
そして、それが枷や限界になって何も出来なくなってしまう。
だって錬金術の目的って他の安物の金属から金を作って大儲けってとこから出来たと思っているでしょう?
でもそんな事って化学レベルで出来る事じゃないんだ。
って思っちゃうとそれで終わり、でもそれが電子や素粒子レベルで改変できちゃえばいいんでしょ。
そんな事科学では簡単には出来ない。
でも、魔法は科学じゃないんだ。
とっても不合理で不条理、理論っぽい事言ってでたらめのなんでもありなんだ。
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