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第58話●使徒1
しおりを挟む「あれ、使徒がご飯を食べている。」
パーシコ は不思議そうにおっちゃんを見ている。
「なんだ?なんか変か?それとおっちゃんって考えただろう。俺はまだ若いんだお兄ちゃんと呼べ。」
使徒は25歳ぐらいの男前の兄ちゃんだ。
『ジュ』の使徒 レベルが200 人間にしては異常に高い。
「おっちゃんジュ姉ちゃんの使い魔なの?」
「使い魔じゃないし、おっちゃんじゃないから。お、に、い、ちゃん。」
「ふーん?使徒って何?ストーカー?」
「あら、あんた来てたの?」
ジュが事もなさげにいう。
「来てたの?じゃないですよ。俺いったい何をしたらいいのか教えてくださいよー。」
「なんでも好きな様にしていたらいいじゃないの。」
「ええーっ、俺、ジュ様の使徒ですよね。」
「そうじゃが?だから祝福も使徒の力もあるじゃろ?まだなんかいるのか?」
「ずーっと考えていたんだけど使徒っていうぐらいだからなんか使命とか役割があるんじゃないかと思うんだけど?」
「ないよ。」
さらりとジュは言う。
ジュが使徒にあったのは500年程前。
5000年続いた聖魔大戦の終結から3000年が過ぎた頃。
その頃のジュはすっかり力も弱くなっていた。
その上に記憶も混濁していて、普通の人族の子の様になってドルツリア大陸を放浪していた。
それほどに苛烈な戦いだったのだけれどそれは次元の狭間で行われた大戦だったので人族の歴史には記述がない。
その日俺は母親に手を引かれて王都の広場の朝市に向かっていた。
父は兵士だったが国境警備隊として出かけた先で戦死した。
少しは戦功があったみたいで戦没者年金が出たのでまあまあ暮らせてはいたみたいだ。
朝市に向かうには途中のスラムの入り口に当たる通りを横切るのだけど。
だいたいそこには衛兵がいて一般人が通っても危険はないのだけれど。
「身体が冷えてしまうから立ちなさい。」
「どこから来たんだ。」
と2人の衛兵が水溜まりの中に座り込んだ子供に声をかけている。
母親は何を思ってそうしたのかはいまもわからないが、衛兵に近づいて声をかけた。
「この子連れて帰ってもいいかしら。」
衛兵はかつては父親の同僚だった事もあり母とは知り合いの様ですんなりと話しがついた。
衛兵達としても詰所に連れて行っても面倒な手続きがあるだけなので渡りに船だったのだろう。
その時の俺は1人っ子だったこともあって弟か妹が出来た様な気がしてワクワクしていた。
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