魔法大全 最強魔法師は無自覚

第43話●しっぽと耳 3 テイヨ奪還作戦

「なんだー。お前らすっごく美味しそうな匂いがしてんぞ。」

ギルドにいた冒険者が言う。

「ボア狩りに行っていっぱいお肉が獲れたからバーベキューしてきたのよ。あんた達上級の冒険者じゃ見向きもしない簡単な依頼よ。」

レテったら挑発しちゃダメだよ。

「あんな魔物が出て来るところでバーベキューって魔法使いはめちゃくちゃだな。で、お土産のお肉はないんか？。」

「そうね、いっぱいあるからご馳走してあげる。エールは自分で払うのよ。」

そう言ってレテはギルドの食堂の厨房でお肉をドサドサとインベントリから出す。

「うおー。レテルティアお嬢様ばんざーい。」

「ちっこい大魔法師様ばんざーい。」

レテって人気があるんだ。

「ふん、ちっこいは余計だわ。」

ギド達は子供なのでギルドに依頼の完了の届けをして孤児院に帰る。

そして振り出しに戻る。

出かける前と同じ状態。

みんなゴロゴロと広間に転がっている。

クニラ達はシスターがお風呂に連れて行った。

「え？これから？すぐにミルグラス王国に行くの？今日はもう遅いから明日にすれば？クニラ達も疲れているみたいだし。」

いつになく乗り気なのね。

「ダメダメ、1人で行っちゃダメ。」

レテはクニラに目配せするけどクニラは意味が分からずにぼーっとしている。

仕方がないなー。

「クニラが今日は不安だから一緒に寝て欲しいって。」

クニラがびっくりしてしっぽがぴんっと立った。

「えっえっとわたし、そんな、、、あー。わかりました。」

なんとかわかってくれたみたいだ。

ギドはギドで「えっ」とか「あっ」とか言っているけど嬉しそうだ。

どんだけ猫が好きなのか。

「アグネスタとミーリオも一緒よ。」

クニラがほっとして、ギドはさらに嬉しそうだ。

多分しっぽが3本、耳6個に増えたのが嬉しいんだ。

「もちろんわたしも一緒よ。」

「えーっ。」

「何か不満かしら？」

「僕達もー。」

パーシコ とユヴォサが声を合わせて言う。
他の弟子団の子も目をキラキラさせている。

クニラ達が増えただけでいつもと一緒じゃないの。

ギドがすぐに出かけようとするのは止められたから良しとしよう。