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第22話●アナザーストーリー
しおりを挟む「なんだかすっごく強くなった様な気がするわ。」
ピコを抱えたルトラウデがシャボン玉のような障壁を浮かべて魔法制御をしている。
ただもうピコをその中に閉じ込めるつもりはないみたいだ。
レテは氷魔法で彫刻をしている。
繊細な植物の茎や葉の葉脈、氷なのに柔らかさを感じさせる花びら。
もの凄い魔法制御だ。
この世界では鑑定が一般的ではなくメニュー表示も転生者でもないと見られない。
だから感覚でしかわからない。
メニューが表示される方がおかしいんだけどね。
スタンピード前と比べるとあり得ない程レベルが上がっている。
学園の同級生のレベルではない。
でも、どうしてこの子達僕の研究室にいるの?
彼女達を見ながらギドはこの世界の事を考えていた。
原型はあの古いアクションRPGロストヒストリーワールドだ。
このゲームは以外と人気があって何回もアップデートしている。
ギドが前世でやっていたのはその一番最初のゲーム。
最もオーソドックスな世界観とゲームシステムだ。
地名や出て来る魔物、登場人物などだいたいは覚えているのだけど。
マジタリア魔法国やランツァウ家などは知らない。
ただドルツリア大陸や大聖女エリミリアなど共通点はある。
これはどうやら発表されてすぐにサービスを中止したアナザーストーリーのひとつじゃないかな。
どんな内容か知らないからどうしょうもないけどね。
扉を開くと花火大会。
孤児院の子供達が魔法で遊んでいる。
お世話係のゴーレムが大笑いしている。
ゴーレムって笑ったっけ?
孤児院を運営しているのはヤルマル・ホルクネッラ教の教会とミカエカぺ財団。
ミカエカペ・ケットゥネン侯爵家はランツァウ伯爵家の本家筋でギドの母の実家。
3人のシスターが実務にあたっている。
今は子供達を見守りながらお茶を飲んでいるけど。
「マスター、おかえりなさい。」
子供達がギドの姿を見てかけよって来る。
ギドがリビングのソファに座ると子供達がギドに集まってくっついて来る。
どうしてみんなくっついているの?
「魔力を集めているのよ。ギドの周りには濃い魔力があるから。」
僕は充電器か?
それになんでレテもルトラウデもここにいるの?
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